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政治家に提出した引きこもりが考える、引きこもりへの支援策

母が県会議員と知り合いで、会う機会があるらしく、「普段政治のこといろいろ言ってるんやし、この際いい機会やから言いたいことあるんやったら紙に書いてみれば?」と言われた。せっかくなので、ずっと考えていた引きこもりへの自分なりの支援策を書いてみることにした。

 

引きこもりの背景

 

内閣府の調査では若年層(15〜39歳)の引きこもりが全国で54万1千人いると発表している。引きこもりの長期化や高齢化も指摘されており、40台以上も含めれば数倍にもなるとも指摘されており、日本が抱える大きな社会問題の一つだ。一方、行政の支援には限界がある。

 

内閣府の資料で「ひきこもり支援〜行政にできること〜」をみてみると、本人と出会えたらの欄で「相談の継続(他者との関係づくり)」「居場所の活用(通所)」「デイケア」「自助会」「社会体験活動」「就労支援」「グループホーム(集団生活)」といった家から出なければならない、引きこもりからしてみれば「苦痛」と感じるような内容ばかりだ。

 

自分が引きこもりになっているのには、1次的な要因と2次的な要因がある。1次的要因は人によってさまざまだろうが、2次的要因は「引きこもりだから引きこもる」というものである。引きこもりで社会から認められない環境に身を置いている以上、近所の人に会いたくはないし、街中で同級生や知り合いとも会いたくない。新たな交友関係を築いて「なにしているの?」と言われるのも恐怖だ。家のドアホンが鳴っても出ることができず、死んだふりをするしかない。人から受け入れられない存在であると自認しているため、悪意のない何気ない言葉すらも恐怖を感じ、余計に外に出るのが嫌になるのである。同じような引きこもりはたくさんいるだろう。そうすると行政側が思い描く支援策「脱・引きこもり」には限界があるのではないか。

 

産経報道によると、ひきこもりの就労準備支援を行なっている半数の自治体が断念しているという。(参照:「ひきこもり就労支援、半数の自治体が断念 「新しい環境に拒否感」)厚生労働省の資料では就労準備支援を実施しない理由として、「利用ニーズが不明」「利用ニーズはあるものの事業化できない」というものだった。

 

引きこもりを”ライフスタイル”に

 

1次的要因は人それぞれ個々に応じた対応しなければならないので、それを支援するのはなかなか難しい。しかし、2次的要因は自治体による支援で解消することができ、心理的・経済的に余裕を生み出すことができるのではないだろうか。

 

現在、ネットワーク環境が充実し、「リモートワーク」と呼ばれる働き方が浸透してきた。IT企業などでよく見られる「家にいながらネットを通じて仕事ができる」というものだ。それを利用した「新しい働き方」、そして「脱・引きこもり支援」から脱却し、「新しい支援の形」にするのである。

 

まず、引きこもりでも家にいながら社会貢献を行い、経済的に自立できれば「引きこもり」は社会問題からただのライフスタイルと変化する。そういった生き方を認めたうえで、どのように家で社会貢献や仕事ができるかを考え、その環境を引きこもりの人々にに作ってあげるほうが、引きこもりの人々にとってはありがたい支援になるのではないか。それが可能ならば生活保護などの社会保障費の負担は減らすことができ、働くことで2次的要因は解消することができる。空白期間もなくなり、次の転職もしやすくなる。心理的・経済的に余裕が生まれることで、本人の意思次第では「脱・引きこもり」もしやすくなる。

 

引きこもりは自らの意思で現状を打開することは難しいが、「このままじゃダメだ」と思っている人は多いだろう。そこで行政などが環境さえ整えてあげれば、十二分に社会貢献できるはずだ。そのためにはリモートワーク、はたまた家でできる仕事というのを産み出していくことが重要になる。社会復帰の第一歩にしても良いし、スキルが磨かれれば「引きこもりながら生活する」ことも十分に可能だ。新たなライフスタイルとなれば、引きこもりにとって生きやすい世の中だろう。

 

インターネットを通じた職業訓練学校

 

仕事をするにはまずスキルを身につけなければならない。本来、そのスキルを獲得するにはお金を出して学校に行き、通学し、卒業しなければならない。しかし、引きこもりにはそんな経済的余裕もなく、通学ができるなら引きこもり問題は発生しない。そこで支援できるとすればインターネットを介した「職業訓練学校」のようなものだろう。

 

引きこもりの利点をあえていうと、時間がたっぷりあるということだ。もちろん家族の負担はあるだろうが、「やり直す機会」を得ようとするならスキル習得、自身にとっての武器を身につけることは必須。あらかじめ行政が産み出しておいた「リモートワークで働ける職」のなかから必要なスキルを通信教育のように学べるシステムを作る。

 

そして、この学校を卒業した引きこもりの人間を採用した企業には助成金を出すことで、企業としても採用しやすい仕組みづくりを行う。行政側の負担はスキル獲得のためのインターネット職業訓練学校運営と助成金が主となり、その他リモートワークといった働き方改革の推進や、リモートワークで働ける仕事の創出などだ。

 

ただ、支援といっても卒業要件は少し厳しめに設定する。その職業訓練学校を卒業することで確実にスキルが身につき、雇用する企業にも信用される必要があるからだ。しっかりとしたスキルが身についていると証明されれば、企業も採用しやすく、賃金も上がる。クラウドソーシングで自分にあった仕事を探すのも良し、ちょっと働きたいと思う人は契約社員、アルバイトといった非正規雇用求人を探す、しっかりと働きたいと思う人は完全リモートワークを実施している企業の求人を探すと言った多様な生き方が可能になる。

 

このモデルはなにも引きこもりだけにとらわれず、「人生をやり直したい」と思う全国民の思いに寄与するものとなる。いつ何が起こるかわからない人生に、いつでもやり直す機会を得られる場所を全国民の負担で共有することは、理想的な税金の使い道ではないか。しかも、最終的な目的は「自立を促すこと」だ。お金を払って各種学校を卒業し、厳しい就職活動を経た方達にとっては理不尽に、もしくは甘すぎると感じるところもあるだろう。しかし、こうした支援なく社会保障費の負担が増大し続けるほうが負担が大きいはずだ。どのような形であれ、社会貢献や仕事ができ、税金を払えるための支援ということなら、多くの国民も納得するのではないだろうか。

 

リモートワークを多く採用するIT産業の活性化につながるかもしれない。実現すれば、いろんな方向性において国民の幸福に大きく貢献する案だと思っている。政治家に提出した紙ではもっと簡潔に書いたものだったが、私が考える支援策はこのようなものだ。

 

後日、連絡をくれるらしい

 

母曰く、その政治家の方はこの案を見て「政党の話し合いに持っていって、後日連絡をする」とおっしゃってくれたそうだ。正直、私はこの政治家の方が所属する政党を支持したことはないが、若者の声を拾うことを理念に掲げているそうで、政策に反映されるとすれば引きこもりとしては希望が持てるものになる。

 

脱・引きこもり支援から新しい支援の取り組みがうまれてくれることを願ってやまない。どうなるか分からないが、連絡を待ちたい。


  

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