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2019年01月23日(木)
妊娠による中退は日本のためにならない

毎日新聞の30日付「学業継続を 高校自主退学で生活困難、貧困の連鎖に」と題された記事で、妊娠によって高校中退を余儀なくされた人たちの貧困問題が取り上げられた。筆者も求職中の身であり、頻繁に求人情報をチェックしているが、その多くが高卒または大卒求人だ。近年では大卒が当然というような風潮さえ感じられる。

 

「高校生で妊娠してしまうなんて、退学させられても自業自得だ」という認識が一般的にある。そこには記事中にも記されている通り、「悪い前例になってしまう」という抑止的な意味合いも含まれていて、かなり根深いものである。「避妊しないのが悪い」というのは全くもってその通りなのだが、いちばんの問題は産まれてきた子供には罪はなく、その子供を養っていけるだけの力を学校側の対応によって、母親が身につけられないまま社会に放り出されることにある。その問題を社会が無視して、女性一人の責任とするのはいささか酷というものだ。

 

多額の教育費が掛かる日本では、中卒で子供を育てることは並大抵のことではない。この成熟した社会で、ある程度の勉強やスキルを身につけることは親はもちろん、子供も必須だ。それにも関わらず、教育現場が安易に”自ら望んでいない中卒者”を産み出し、結果的に経済的困難に陥って、その子供が大学進学も諦めざるを得ないような状況を作り出してしまっている。このような「貧困の連鎖の根源」を教育現場が作ってしまうことは、日本全体として考えてみても決して良いこととは思えない。

 

このような「自業自得」による貧困が、結果的に「生活保護」や「自殺」という日本が抱える社会問題につながっていくことは明らかだ。そうなると安易に中退させて自業自得と見放すよりも、しっかりと自活出来るようサポートできる体制を整えるほうがはるかに日本のためになると考えられる。安易に妊娠させないようにする風潮も必要ではあるが、その措置はなにも「中退」でなくとも卒業が遅くなることや、なんらかの試験を課して合格しなければ卒業できないなどの別のペナルティーで十分ではないか。自業自得と簡単に切り捨ててしまえば、何も考えなくて済むというのは日本社会の悪い風潮だ。その厳しさは決して本人のためを思ってという類いのものではなく、ただ常識外な人間を厳しく罰して、過大な反省を促すことを欲して居るだけだ。言い換えれば他人の不幸は蜜の味なだけで、妊娠してしまった本人や産まれてくる赤ちゃん、日本のこと考えているのかと言えば「NO」である。

 

国家や社会の本音は何か。国家や社会が国民に望むのは「自活が出来、子供を育てられる親」になることか、もしくは「きちんと働いて税金を納めてもらう」人間に育ってもらうことだ。何度も言うが子供にはなんの罪もなく、少子高齢化である日本において日本国民が誕生することは本来喜ばしいことである。学業期間に妊娠することは決して適切なこととは言えないが、凶悪犯罪を犯したわけではないのだ。その中退させられた人間や子供の将来性、社会への貢献を考えた場合に、「中退」という結果が社会全体にとっても良い方向に向かうとは到底思えない。子供を産んでも、しっかりと育てあげ、働くことができるスキルを身につけられさえすればなんの問題もないどころか、日本にとっては良いことだ。

 

自業自得と突き放す、厳しければ良しとする「不寛容すぎる社会」は結果として、日本のためにならないことを多くの人が認識し、しっかりと考えるべきである。


  

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