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東京新聞は論説副主幹を処分するべきではない

写真=「ニュース女子」の公式サイトより

 

東京MXのテレビ番組「ニュース女子」の放送内容をめぐって批判を受けている問題で、長谷川幸洋・論説副主幹がラジオ番組で所属する東京新聞の対応を批判した。これを受けて東京新聞の女性記者が自身のツイッターで「彼が批判されるのは、社是と違う言論だからでなく、裏付けのないヘイトを垂れ流した故。その理由に一切触れず、謝罪もせず問題をすり替えるな」と投稿した。

 

【関連記事】<MXニュース女子報道問題>東京新聞長谷川副主幹「言論の自由に対する侵害だ」

 

長谷川氏はラジオ番組で「言論の自由の侵害だ」と主張し、それに対し東京新聞の女性記者は「問題のすり替え」と非難。どちらの言い分が理にかなっているのか。

 

この問題で私が感じる大きな疑問が「出演者や司会者に『放送内容を止める権利』があったか」という点である。東京新聞では論説副主幹という地位にいる人物ではあるが、ニュース女子という番組では一出演者だ。虚偽報道だという言い分に対してもしっかり調べなければならないだろうが、そもそもヘイト放送であろうとなかろうと、放送内容に対して出演者がどれだけ責任を取らなければならないかには疑問がある。

 

出演者が自発的に発するコメントに関しては、個人にも大きな責任があるだろう。実際の放送では長谷川氏ではなく別の軍事ジャーナリストが取材しており、長谷川氏は司会者という立場で、その映像を見ていくつかの疑問をぶつけ、少し自身の見解を述べた程度だった。その番組を制作・編集して最終的に放送するのは、制作会社・放送会社の責任である。もちろん取材手法に対しては編集者や取材者の個人に対しても責任は出てくるだろう。しかし、少なくとも問題とされている放送回で長谷川氏が恣意的に「ヘイトを垂れ流した」ようには見えない。

 

また、長谷川氏が問題となった「ヘイト」と言われている内容を自発的に話していたならば、「ヘイトを流したという根拠」を持って批判や処分を行うというのもまだ理解できる。だが、あくまでも私の主観に過ぎないが、問題となった放送を見る限りではそのようには見えなかった。よって、長谷川氏が処分されるべき・謝罪すべきだという意見は、問題となっている放送回ではなく、長谷川氏のこれまでの主張が右派寄りだったために、イメージの誇張によって槍玉にあげているのではないかと指摘したい。

 

誤報やデマを報道していた番組に、ただ出演していた者が所属する会社から処罰されるのであれば、芸能人やコメンテーターも含め「ニュース系のワイドショー番組」や「政治系バラエティー番組」に出演を許可する芸能事務所は減るだろう。事務所側が企画にも率先して入らなければならない。また、司会者が企画に参加して、番組内容の方針を先導する場合も聞かれるが、長谷川氏が同じような立場だったかは定かではない。これまでに報道されている内容や批判されている内容を見ても、そこを問いただす根拠となる部分が見つからない。

 

その意味で「言論の自由の侵害」と主張する長谷川氏の言い分は理解できる。ヘイト放送だったかについては調べなければならないだろうが、仮にヘイトだったとしても、責任を追及するならば制作会社や放送局、さらに編集者や取材を行った人間である。今回の問題を受けて東京新聞が謝罪記事を掲載することも、長谷川氏を東京新聞が処分するということも、どうも腑に落ちない。

 

話は少しそれるが、左派的な論調として知られる東京新聞において、自身も「右派寄り」と認める論説委員がいることは大事なことだ。実態がどうなのかはわからないが、様々な立場の人間が議論をした上で社説を掲載しているならば、東京新聞においては多角的な視点で議論されているはずだ。長谷川氏が右派的な論調で知られる産経新聞に所属しているよりも、東京新聞に所属しているほうがずっと価値がある。論説委員に立場の違う人間を置いておくことは、社説を書く新聞社にとってはとても重要な存在だ。私個人の考えとしては「社説」として一つの論説を掲載するよりも、それぞれの立場の論説委員が同じニュースに対して論評していくほうが、読者にとって価値があるものだろうと思っているが。これはいつか本サイトで書こうと思っていたことである。

 

閑話休題。最近やたら「責任」という言葉をよく見かける現代社会であるが、「本当に責任を追及すべき対象か」という点はしっかり考えなければならない。多くの人が「責任を取れ」と言っているのを見て、責任があるのではないかと勘違いしてしまう例も多いのではないか。少なくとも今回の「ニュース女子問題」で現時点で長谷川氏に責任を追及するべきではない。


  

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