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ヤフコメに必要なのは、空気感を打ち破ることだ

 

日本でインターネットを利用している者なら誰もがお世話になっているであろうYahoo!Japan(ヤフー)。日本で最も利用されているポータルサイトで、インターネットブラウザを開くとはじめにアクセスするのはヤフーの人が多いのではないだろうか。ポータルサイト中央にあるヤフーニュースのトピックス、通称「ヤフトピ」からニュースを知る人も多く、月間150億PVを数えるなどもはやインフラと言っても過言ではない。そんなヤフーニュースに付随したコメント投稿欄(ヤフコメ)には1日約28万件もの投稿があるという。だが、以前からヤフコメは偏向や誹謗中傷の温床になっていると指摘され、問題視されている。

 

ヤフーもその問題は認識しているようで、ヤフーニュースが運営するオウンドメディア「news HACK」が配信した2015年9月2日付の記事ではヤフコメについて「多くの課題を抱えていることも事実です」と認め、「ヘイトスピーチなどへの対応を強化します」として不適切な投稿に対してこれまでより厳しい基準を設け、ユーザー自身が不快なコメントや投降者を非表示にする機能を設置すると記した。(参照:Yahoo!ニュースがコメント機能を続ける理由~1日投稿数14万件・健全な言論空間の創出に向けて~ newsHACK

 

日本でよくある”空気感”がヤフコメの偏重に繋がっているのでは

 

様々なメディアがヤフーニュースに記事を提供しているので、私自身もヤフーニュースでよくニュースチェックをしている。記事を読み終えた後にそのニュースに対するコメントもチェックしているのだが、「よくこんな酷いことが言えるな」と感じる発言も多いのは確かだ。とは言っても、それはヤフコメだけが特別なのではなく、インターネットの世界ではどこでも見られる現象である。そういったヘイトスピーチ以上に私が危惧するのは、一方的な意見ばかりが流れていることだ。

 

長年ヤフコメを見ていて不思議だと思うのは、賛否両論とか多様な意見が出ることがほとんどない点だ。「さすが人がいっぱい集まるだけあって多様な意見が掲載されているなあ」と思ったことが一度もない。何百、何千ものコメントがあれば多角的に意見が見れると思いきや、常に一つの方向をむいてユーザーがコメントしているようにみえる。とても奇妙な現象だ。

 

さらにコメントの「手のひら返し」というのもヤフコメの特徴の一つだろう。個人的に興味深かったのが、同じテーマで数時間前に書かれた記事では批判だらけの投稿だったのが、数時間後にテーマは同じだが別視点で書かれた記事だと、擁護や賞賛の声だらけの投稿になっていたことだ。「あれ?さっきはあんなに批判的な論調だったのに、こんなに急に変わるもんなの」と驚いたことがある。

 

種々雑多な意見が出ずに、同じ方向を向いた意見ばかりになるのはまさに「空気」に支配されているからだろう。ヤフコメには「そう思う」「そう思わない」という投稿コメントに対して、他のユーザーが評価するシステムが存在する。それを見ればどんな意見が支持されているかが一目瞭然で、自ずと空気感が醸成される。すると空気に沿った意見ばかりが書き込まれ、心の中で違う意見を抱いても書きづらいという現象が起こる。空気を読まずに別意見を書けば、叩かれやすいからだ。結果として偏った意見ばかりになる。

 

偏った意見ばかりを目にしていると、それが正しいと思い込み、同じ意見を書き込んでいる自分も正義に感じやすい。基本的に「そう思う」と多く押されている投稿がコメントの上位に来るシステムのようで、それもまた拍車をかけている。従って、ヤフコメに必要なのは「反対意見を書きやすい状況を作り出すこと」であり、「空気感を打ち破る」ことだ。

 

投稿者自身に自分のスタンスを選択させ、分類して表示するべき

 

そこでまず、ニュースに対する自らのスタンスを投稿者自身に選択させる。ニュースによって選択肢も変化するので難しいのだが、たとえば「肯定的」「否定的」「楽観的」「悲観的」などの選択肢を複数用意し、投稿内容をスタンス別に表示。そのように分類した上で、そう思う順に表示させるシステムにしたらいい。そうすれば偏った空気感は生まれず、いろんな意見が書きやすくなる。

 

映画や商品のレビューサイトなどを見ると、投稿者自身が星の数などでスタンスを明確に表示していて、異なった意見も見てみようという動機が生まれやすい。ニュースサイトのコメント欄にも、同じような機能をつけるべきだ。

 

異なった意見でも「そう思う」が上位にきているものであれば、参考にする人は意外と多いように思う。なぜなら上述したように、少しでも視点の違った説得力のある意見を読むと、ころっと空気感が変わる。異なったスタンスも表示し、「そう思う」順に並べれば、ユーザーは自然と説得力のある異なった意見に誘導することができるので、ヘイトスピーチも抑制できる効果があるかもしれない。個人的には日本で堅いニュースにでも多くのコメントが掲載される貴重な場なので、種々雑多な意見が見られるコメント欄にしていただきたい。

 

インターネットの普及で良くも悪くも誰もが自分の意見を発信できる時代。多数派や少数派など関係なく、誰もが自分自身の考えを率直に記すことこそ価値がある。多様性が叫ばれる中、真逆の現象が起きているのは暗澹とした気持ちになる。日本一のニュースサイトを持つヤフーには、様々な意見が混じり合う混沌としたコメント欄になることを期待したい。


  

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