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1日使用してわかったインスタグラムが流行する理由と、そこからくるSNSの危険性

昨年、ユーキャンの新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた「インスタ映え」。流行語を裏付けるように昨年10月3日、インスタグラムの国内月間アクティブユーザー数は2000万人を突破した。

 

筆者は元々写真撮影を趣味としているが、自らが開設したオンライン写真館があったためインスタグラムには興味がなかった。むしろ「文字だけを投稿出来ないなんて、さぞ不便だろう」とすら思っていた。だが、本格的にカメラを趣味にしている人やプロのカメラマンをツイッターでフォローしていると、その多くがインスタグラムを中心に更新していると知り、その人たちの作品を見たいがために私もインスタグラムのアカウントを開設する運びになった。

 

飽くまでも閲覧用のつもりだったが、軽い気持ちで自分が撮影した写真を10枚ほど掲載したことで、インスタグラムが流行した理由=楽しさが分かったのである。何故なら、投稿してわずか数十秒で数名から「いいね」がついたからだ。ツイッターのように細々とやっていこうと考えていた私はとても驚いた。

 

そもそも写真だけを投稿することに不便さや疑問を感じていた私だったが、写真ほど人々が「いいね」を押しやすいものはない。何故なら、そこには対立を生みやすい主義主張が少なく、難解さもない。何よりも多くの人が共感できるものがある。それは写真から放たれる美しさ、綺麗さ、儚さなどの芸術性と日常生活を切り取った楽しさである。年齢・性別関係なく「いいね」と思えるものがそこに詰まっている。このようなブログやツイッターで文をたくさん書くよりも、少し綺麗な写真を一枚載せるほうがはるかに「いいね」を貰いやすいのだ。

 

数十分後には「いい写真」「very good!」というコメントも貰えた。スマホ画面にどんどん通知が来る。誰からもフォローされていない状態で、すぐに反応が貰える。ツイッター歴はもう10年近くもなるが、こんなにもすぐに反応をもらった経験がない。なにもかも「お手軽」と言っても過言じゃない。なるほど…誰もが容易に承認欲求が満たされるように出来ているなと感心した。

 

一方で、SNS疲れを引き起こしやすいとも感じた。良くも悪くも反応が早く、評価が「いいね」によって可視化されるので、反応をたくさん貰いたいという欲求が高まっていく。反応が薄かった場合、(あんまり評価されていないな)というのが閲覧者も分かるので、「もっと良い写真撮らないと」という気持ちになってしまう。さらに一目で他人が撮影した写真と比較することにもなる。他の人はたくさん評価して貰えているのに、自分は全く評価されないという現実を嫌でも見せつけられる。そういった積み重ねがSNS疲れを引き起こしてしまう。

 

SNSなどのネットツール全般に言えることではあるが、インスタグラムの場合、すぐに反応が貰えるからこそ、割り切ることがツイッターより難しいと感じた。

 

そういった欲求の高ぶりは危険性もはらむ。近年、ユーチューバーによる暴走が大きな問題となっているが、私が感じたインスタグラムでのいいねを貰いたい欲求も、本質的には暴走ユーチューバーと同じである。救いとなるのは「方向性」だ。仮に私がいいね欲求を抑えられなくても、「もっと良い写真を撮る」という方向に向かう。一方で、ユーチューバーは「おもしろさ」を求め過激な行動をとる方向に向かう。本質的には同じ感情なのに、向かう方向が違うだけで違う結果を生み出してしまう。もちろん「いいね」を貰いたいがために、無茶な写真撮影を行うなどの危険性はあるが。評価が可視化されることで、物によっては良い方向にも悪い方向にも向かう。与えられた環境次第で人間は変わるという良い例示かもしれない。

 

暴走を避けるためにもインスタグラムやツイッター、フェイスブックなど、SNSを使う際は「自己満足」をしっかり意識しておくべきだ。例えばこのブログならば、人に見てもらう他にも、過去に自分が考えていたことを記しておくという自己満足な目的もある。もし自分が何かで急死した場合に、家族にどんなことを考えて生きてきたのかを見てもらうことができる。何年か後に記事を見返して、恥ずかしさを感じた時は自分が成長した証にもなる。「自分のために」をしっかりと意識して運用すれば、評価をもらえなくても多少は気持ちとして余裕が持てる。

 

個人的に無職という社会的立場から言って、承認欲求が満たされやすい「インスタグラム」は私自身の生きがいになるかもしれないが、同時に依存や暴走を引き起こしてしまう恐れもある。人から認められたいという欲求は、時に人間の判断を誤らせるとても恐ろしいものである。改めて、人から認められることを欲しやすい現代こそ、「自己満足」や「自分のために」を意識したいところだ。


  

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