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自説|人格攻撃出来る権利はこの世で誰が持っているのか

産まれて24年の歳月が流れた。私がこの24年間の間にどのようにして作り上げられたのかと言うと、「教育」と「社会」が一体となって私という人間を作り上げた。社会的に間違っていることは間違い、教育で間違いだと教えられてきたものは全て間違いだと信じて疑わなかった。そして、社会が求める「正しい人間」にならなければいけないという自負が強く、社会に迎合し生きてきた。

 

そのことによって、学生時代は様々な人間から信頼されているのを感じた。その反応を感じて「これが正しいことなんだ」と確信してしまった。思うに私は「社会に迎合するテクニック」だけで生きてきた人間なのである。

 

多くの人間も同じく「社会に迎合するテクニック」を駆使して生活しているように感じる。それは現代社会、とりわけこの日本社会で生きていく能力としては必須なのかもしれない。それが日本の秩序維持に大きく貢献しているのではないかと思う反面、「正しさ」と「間違い」を深く考えない人間たちを生産してしまったのではないかと感じるのである。

 

「正しさ」は一体どこから来るのか。中部大学の武田邦彦教授は自身のブログで「神様が決める(宗教)、偉人が決める(道徳)、相手が決める(倫理)、そして社会が決める(法律)」と述べられているように、全て自分自身の外側にある。

 

つまり、(宗教にしても、道徳としても、倫理としても、法律としても)人間としてあるべき理想像があり、現実の人間はその理想像に近づけば近づくほど「正しさ」に近づいていく。多くの人間が正しいと感じることこそ、正しく・まともである社会だ。そしてその理想像から離れていけばいくほど、間違いであり「人間失格」の烙印を押されてしまう。

 

しかしそれは、ただ単に理想像や他人と比較した結果なのであり、そこには「思考」や「深い考え」が一切ない。単純明快なのである。

 

だが、人間はそんな単純な生き物ではない。今ある「正しさ」は時代によっては正しくなかったし、反対に今ある「間違い」は時代によっては間違っていなかった。「正しい」「間違い」は実は表裏一体であり、本当の正しさなんて誰が分かるのだろうという程、完璧に正しいものはほとんどこの世に存在しないのではないかとすら考えてしまうのだ。そんないい加減なもので「人間として失格だ」、「人間として間違っている」と決めるのは社会としても、個人としても、本来は実におこがましく、傲慢甚だしい。ただ、人間社会を形成していく上でどうしても正しさと間違いを決めつけなければならないだけなのである。

 

そこまで考えることもなく、私たちの社会は「1人の人間」の人権を奪おうとする人間で溢れかえっている。その「人間失格だ」という根拠の多くは単に社会が作った理想像と離れているからなだけであり、社会や教育から教えられた文言をただひたすら羅列して、1人の人間の人権を奪おうとしている。「レッテル貼り」はまさにそんな事例のひとつであり、最も下劣な攻撃である。

 

私たちは「自ら深く考え」、「自ら深く考えた結果」をもっと重視するべきである。自らのなかで「本当に正しいのか」、「本当に間違っているのか」を考えているうちに、自然と両者の立場から物事を考えることができる。そこから葛藤が産まれ、更に思考を繰り返す。そしてやっと産み出した「自分の答え」こそが、より正しさに近づく。そして、その出した答えにこだわらず、また満足することなく、生涯死ぬまでこのサイクルを続けて行くのだ。

 

最終的にその考えを持つことが出来れば、「さまざまな人間」がこの世にいることが分かり、そして自分の愚かさを棚にあげて、簡単に他人を攻撃することもなくなる。誰も人格攻撃をする権利を私たちは持っていないのだ。相手の行動や思考を批判できても、人間そのものの全否定など誰ができるのだろうか。

 

これは私の主観的な意見に過ぎないのだが、「変人」だと言われている人間ほど深い考えを持った人間が多いように思う。それは、自分で考えた結果を重要視しているからであり、そのために自分で深く考えているからだ。一方社会やただ教育に沿っただけの人間は深く考える機会を奪われているといっても過言ではない。

 

変人と見られるからには相当のしんどい人生を生きて行かなければならない。社会に迎合することはそれも人生を生きて行く上で必須なテクニックだ。どちらを選ぶかは人それぞれなのだろうが、私は迎合から抜け出した自分を想像すると、自分を好きになれそうだ。私はようやく、自分自身で自分自身を作り上げられるのである。


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