好きなことを好きなだけ表現する

個人ニュース、コラム、写真などコンテンツ豊富なオピニオンサイト

自説|二重人格は社会の必要悪 人間誰しもガス抜きが必要だ
null

 

人間を自由にさせておけば秩序が乱れる。だから厳粛なルールやマナーを作って人間を縛る。つまり人間の自然に基づいた感情や行動は、社会的に悪をもたらすのである。

 

だとすると「良い子」というのは、とても不自然な存在だ。なるべく怠惰でありたい、自分の気持ちを優先させたいと言った自分の感情を抑制させる。社会的に言えば、「大人な対応」とも言って絶賛されるが、現代の大人社会を見てわかる通り、それはストレス社会の原因になる。大人たちは「良い子」を褒めることで、その子を「悪」の方向に向かわせないように、また自分の手がかかる存在を増やさないために、周囲をガチガチに固めてしまうだろうが、過度なストレスは子供にとって良い影響はない。どこでもそれを求められると、人間として疲れ果ててしまう。

 

外で迷惑をかけない子供になるためには、家庭や自身の所属するコミュニティーでどこかしら「ガス抜き」が必要になる。家でも良い子、外でも良い子、どこでも良い子であれば、自身の自然な感情を出せる場所がなくなってしまう。どこかで発散させてあげる場所が必ず必要なのだ。いざ、そのガス抜きの場所が見つかれば「二重人格」などと非難されるのかもしれないが、外で徹底的な秩序を保つ人間として生き、自分たちが知る範囲で手のかからない存在、良い知人でいてくれたのはガス抜きの存在が欠かせない。その「ガス抜き」の存在があるからこそ、外で膨大なストレスを抱えてもやっていけるとするならば、二重人格は社会として必要悪なのだ。いつでもどこでも、「立派な人間」であってほしいと求めるのは残酷なのだ。良い子は決してロボットではない。

 

だからこそ、以前から言うように芸能人のスキャンダル記事には価値がない。一般人と違って過度なストレスに耐えなければならない仕事である以上、やはりどこかで羽目を外しやすい環境に身を置いている。なぜ人間がスキャンダラスなことをするかと言うと、スキャンダラスなことが必要だったからだ。それでガス抜きをすることによって、次の日もその次の日もストレスを抱えながらやっていけるのだ。であれば、その「ガス抜き」であった場所を追及し、破壊し、ストレスを受けるばかりの存在にしてしまう週刊誌報道は、ある意味社会的悪であるともいえる。政治家などの不正はともかく、芸能人の熱愛や不倫等、大多数の国民の生活に直接影響しないことを、ビジネスのために一方的に「国民的悪」に仕立てあげるのは褒められたことではない。それに乗っかって面白おかしく叩く国民も同罪だ。聖人君子を求めることも自然であろうが、自分に求められたら「無理」であるように、いくら芸能人でも、品行方正な良い子であっても、無理があるのだ。不倫は良くないことなのは間違いないが、わざわざ国民悪に仕立てあげるのではなく、当事者同士で問題解決をすれば良い。

 

週刊誌報道のスキャンダルやソーシャルネットの炎上は、「ストレス社会」のガス抜きになっている面がある。一人の人間を国民的な悪に仕立てあげることで、攻撃し、ひれ伏す姿を見てスッキリする。そんな人間たちの醜い心が集まっているのだ。しかし、それが新たなストレスを生み出し、お互いボロを出さないか監視しあい、一人がボロを出すと拡散させて袋叩きにする。時には職業を剥奪するまでに、徹底的に糾弾する国民の姿はスキャンダルを起こした人間以上に、邪悪であり恐怖の象徴に思える。村八分社会のような秩序維持につながっている面はあるものの、過度な監視社会は自分の幸福も下落させるだけだ。

 

私は良い子を見るたびに心配になってしまう。確かに周りからは慕われるだろうが、その分ストレスを抱えていることは間違いない。彼らはガス抜きをするにもストレスがかかり、良い子で居続けるのもストレスがかかる。週刊誌やソーシャルネットのように、ささやかなガス抜きの場所が誰かに見つかるとスキャンダラスに一気に噂が流れ、彼らはすぐに失脚するだろう。そうなった場合、自らの存在価値を見失い、どの方向に行くか分からなくなってしまう。もしかしたら悪の方向にいくかもしれないし、引きこもりになるかもしれない。最悪の場合、自ら命を絶つ場合もある。

 

親や先生などの大人たちは、子供に「良い子」であってほしいと願う。しかし、それはストレスがかかる人間に育つということをよく理解しなければならない。そして、同時にストレスを発散させる場所も作ってあげなければならない。私たちが相手に対して「良い人」であることを求めるのは、とても残酷な面があるのだ。時として悪い面もスルーするスキルや、自分に影響しないのであれば、ある程度「醜さ」を受け入れる度量もまた必要であると、この「拡散型相互監視社会」に強く警鐘を鳴らしたい。


  

FavoriteLoadingこの記事をクリップリストに追加する 
SHIGEFIKA会員ログイン




パスワードを忘れた
新規登録
SHIGEFIKA会員とは
週間人気記事ランキング
最新記事
更新情報/Twitter
常論新聞
編集部からのお知らせ