好きなことを好きなだけ表現する

個人ニュース、コラム、写真などコンテンツ豊富なオピニオンサイト

自説|あなたは“ぼっち”の人間をどんな目で見ている?

学校や企業などのグループに属していると、必ず「ぼっち」と呼ばれる、人の輪から離れた者が出てくる。特に学生時代にはコミュニケーション能力に長け、多くの友人に慕われている人間ほど「優れた人間」として扱われやすい。昼休みや給食(弁当)を食べる時間はその差が顕著に表れ、同じ環境にいる同じクラスメイトとは思えないほどの天と地の差がある。

 

私の友人にはその「ぼっち」を経験したという友人が多い。ぼっちでは無いものの友達が少なかったとする者もいる。仲良くなって話をすると、彼らはよく私のコミュニケーション力を褒めてくれる。「うらやましい」と。

 

高校時代、ずっと「ぼっち」状態だったクラスメイトがいた。誰かと仲良くしようとするわけでもなく、昼休みも1人で静かにご飯を食べ、静かに読書をしていた。確かに“変わりモノ”でクラスメイトからも学年外の人からも「ネタ」のように扱われていたし、からかわれている場面もよく見た。ただ、酷いイジメを受けていたわけでもなく、クラスメイトからもそれなりに存在が認められていたというそんな表現が難しい「ぼっち」だった。

 

先述したように友人は私のことを「うらやましい」と褒めてくれたが、私からするとこういう「ぼっち」でいられる人間のほうがうらやましいのである。皮肉でもなんでもなく、コミュニケーション力などたいしたものではないし、友達が多くいる自分を他人に見せ、優位な立ち位置にいたいとする「自己防衛の産物」でしかない。私自身幼いころは人から話し掛けられると、すぐに母の背中に隠れ、母の服を握りしめてしまうほどの人見知りだったし、コミュニケーション力を身につけようと思えば、身につくものである。

 

しかし、「ぼっち」で自分のやりたいことを貫くこと自体は容易に出来ることではない。仲間はずれにされ、冷たい視線にさらされ、時には嫌がらせも受ける。昼休みでのコミュニケーション力が高い人間とぼっちの人間の顕著な差が出る場面では、嫌でもそんな現実を見せつけられる。友達を多く作りたがり、グループに属したがる大多数の人間だとすぐに逃げてしまいたいと思うか、学校を休んだり、自分はダメな人間なんだと悩むだろう。

 

彼はそんなことには動じる様子がなかった。一貫して、自分を貫いた。私は「憧れ」を抱かざるをえなかった。こんなことを言うと笑われてしまうかもしれないが、笑ってる人間は彼のことを「人から外れた劣った人間」としか見ていないからである。私自身ぼっちの友人が多いのは、「どんな人間でもまずは受け入れ、差別してはならない」とする小学校や幼稚園で受けた教育の影響も大きいが、彼らに対する「憧れ」もあったからだ。

 

実際に私は高校2年に進級すると、それまで属していたグループの幼稚性に辟易し、昼休みにグループで食べていたのを辞め、1人で教室で食べ始めることにした。今になって思えば、私にしては勇気のある大胆な決断だった。1人で食べていた男子の背中を横目で見ながら、私自身もひたすら孤独と他人からの視線というものに耐えてみた。

 

しばらくすると、心配してくれたのか分からないが、クラスメイトらが「ごはんちょーだい」と話し掛けてくれるようになった。さらに学年1のイケメンで、男女から人気のある男子が一緒に食べてくれることになった。私のことを心配してくれたのか、それとも彼もグループにいるのに嫌気が指したのかはいまでも分からない。しかし、私は心のどこかでホッとしてしまったのだ。

 

彼と一緒にごはんを食べるのはとても楽しかったし、クラスメイト等が話し掛けてくれるのもとても嬉しいものだった。だが、それと同時に自分がどれほど精神的に弱い人間であるかを確信してしまったのである。1人じゃ何も出来ない、自分を貫くことが出来ない人間だと身を以て知った。そして、自分を貫くことができる人間が少ないことも悟った。

 

前回のアニメ感想文で「だがね、僕はむしろ評価する。孤独を恐れない者を、孤独を武器にしてきた君を」というセリフに共感したと書いたのは、こういった経験があったからだ。自分の考えを貫ける姿勢は、自分が持ちたくて、なかなか持てないもののひとつだ。さらに人からの影響をもろに受けないから、自由な考えやおもしろいことを思いつき、それを実行する力もある。人から傷つけられた経験がある分、優しさも持てる。

 

だから私は、周囲がバカにしていたり、笑われたり、変人だといわれている人々も、心の中では違った視点から見てしまうのだ。


  

FavoriteLoadingこの記事をクリップリストに追加する 
SHIGEFIKA会員ログイン




パスワードを忘れた
新規登録
SHIGEFIKA会員とは
週間人気記事ランキング
最新記事
更新情報/Twitter
常論新聞
編集部からのお知らせ