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自説|私に尊敬する人がいないたった1つの理由

「あなたが尊敬する人は誰ですか?」

 

——と聞かれる場面は数多い。就職・入学試験の際の面接や、初対面の席など、相手のことを深く知ろうとする場面で使われる。一般的にこの質問をすることで、人生において重要視していることは何か、どの様なことに興味があるかなど、その人の人生観、価値観が分かってくる。

 

しかし、私には尊敬する人物というのは存在しない。捻くれた考え方をしていると言われてもおかしくないが、尊敬する人物というのを作りたくないと言ったところか。

 

その理由は、たった1つである。人物には「良い所」「悪い所」がそれぞれ存在しており、完璧な人間などいない。どんな人間であっても、必ず善悪が存在するというのが私の考えだ。だが、尊敬する人物と言ってしまうと、”良い所”だけにしか目を向けず、どこか盲目的になるような気がしてしまう。

 

盲目的になってしまうと、どうなるか。例えばその人物が持つ「悪」の部分を知ってしまうと、「尊敬してたのに」と期待を裏切られた気分となり、必要以上に評価を下げてしまったり、もしくは誰しもが持つようなその人の”悪”の部分を認めようとしなくなってしまう。どんな人間にも「善悪」が存在するという私の考えにそぐわないのだ。

 

人物そのものに目を向けるというよりも、その人物の”その時”の「考え方」「行動」「言動」などに目を向け、そこを尊敬するというのが、私なりの”尊敬の仕方”ということになるだろうか。

 

その様な意識付けをすることで、例えば人間的に嫌悪している人間であっても、主張する部分が一致すれば、素直に評価することが出来るし、議論や相手の意見を傾聴する際に、不必要な感情の部分を排除することにも繋がる。例え嫌いな人間であったとしても、言ってることが正しければ、正しいと素直に評価することはとても大事なことであり、例え好意を持った人間であったとしても、間違ってると思えば間違いだと素直に反対意見を述べることもまた大事なことだ。

 

建設的な議論をしようとする際に、”感情”というのはどうしても邪魔になってしまう。自分の意見を主張するのに、どうしても躊躇してしまうし、相手の人間性など議論の本筋とはおおよそ関係ない部分でさえも、評価対象としてしまう。ある意味それは人間味のあるものと言えるかもしれないが、「認めるべきところは認める」「自分の意見ははっきり言う」ことが阻害されてしまうなら、それは望ましくない。

 

実は筆者自身、”人物”で判断しやすい人間だと認識している。まだまだ精神的に未熟なところが数多く存在し、多くの周囲の人間に迷惑を掛けている。だからこそ、意識付けと自制のために、この”捻くれた”考えを持たなければならないと思っている。この考えを具現化するには、まだまだ時間が掛かるだろうが、将来的には「人間誰しも善悪を持っている」ことを深く身体に染み込ませ、「悪」の部分もある程度認めることが出来る人間にならなければいけない。

 

人物で判断しやすい人間だからこそ、その部分における弊害を多々感じる様になった。同族嫌悪と言えばそうなのだが、自ら改善しなければならないことに気付けたという意味でよかった部分もある。しかしながら、実は多くの人間も気付かぬうちに同じことをしているのではないかと感じることがある。

 

先ほども言ったように議論する際に相手の人間性はあまり関係がない。ところが、この国では相手の肩書きや、何をしてきたかという人間性を重要視する。意見に流されやすいというのはその為で、”誰が言ったか”を極端に気にしてしまうのである。確かにある程度の誰が言ったかという事柄は、1つの大きな判断材料にはなるだろうが、そこに注目しすぎると、事の本質が見えなくなってくるのではないか。「この人が言ってるから間違いないだろう」「この人がこんなこと言ってたけど、この人に言われてもねえ…」などの意見をよく散見するが、これは、”意見”よりも”人物”にしか目が向いていない最たる例である。

 

的確な評価、中身のある議論をするためには、その人物そのものを見るのではなく、意見の中身を見なければならない。その為には人を過剰に評価してしまう”尊敬する人物”という価値観を私は排除したい。議論の意見であっても、人物の評価であっても、その都度その都度で変わることが健全なものであると、私は信じて疑わない。

 

だからこそ、人間は完璧ではなく、良い所も、悪い所もあると言えるのだ。良い人だって悪い所があるし、悪い人だって良い所がある。評価はその人間自身の総合評価だと見失うものが多い。まさに盲目だ。そうではなく、その時その時の行動や考え方、そして意見、それぞれ別個として考えていきたい。また、そういった見方が出来る人間になることが、私自身の課題である。

 


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