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自説|マイナス思考は武器である

私は自他共に認めるマイナス思考の持ち主だ。もちろん全てがマイナス思考というわけではなく、7:3か6:4ほどの割合でやや「マイナス思考が優勢」と言うのが正確な表現である。私がマイナス思考になったのは、言うまでもなく今おかれている現状=(中退歴や無職)によるものが大きい。

 

しかし、マイナス思考そのものが悪いとばかりは言えない。負の面もあるが、得たものもあるからだ。それはポジティブな時よりも、必死で考えることである。以前、ノルウェーに渡諾した際に「ネガティブの良さ」を実感することができた。本サイト記事(ニートが2週間生活して感じたノルウェーの幸福度が高い理由〜日本に住んでいる皆さんは“幸せ”ですか〜)でも書いたが、私は観光そのものよりも、その国の文化や社会のあり方を日本と比較するように見つめていた。「ーー今の息苦しい世の中を変えるヒントが欲しい」その一心で初めて訪れる異国の地を見つめていた。

 

もし私が幸せ絶頂な人間であったら、そんな視点で海外旅行をすることは無かっただろう。ただ単に旅行を楽しみ、おいしい料理を食べて、観光スポットを巡って、たくさん写真を撮って、「あー楽しかった」と言って帰国するだけだ。そうではなく、日本の社会のあり方や、他国の社会との比較にまで視点を向けていたのは、間違いなく自分自身が負け組であり、なんとかしたいという思いがあったからである。

 

やたらポジティブが推奨される世の中ではあるが、良くも悪くもポジティブは何も考えないのだ。「普通なことって幸せだったんだね」という言葉をよく耳にするが、それは何も考えずに済んでいたから幸せだったのである。落ちこぼれた人間がアニメやゲームなどに没頭して現実逃避をするのも「何も考えずにすむ」からである。しかし、何も考えないことは、時として誰かを無意識に傷つけ、新たな価値観の獲得や自分自身が成長することを阻害する。社会について必死に考えようとした場合、マイナス思考にならざるをえない環境が何かを考える原点となり、またエンジンとなるのだ。私はマイナス思考がこの世には絶対的に必要であるとすら考えている。

 

問題は、多くの人はネガティブな環境にいる人の意見に耳を傾けない。予備校講師の林修氏が言う「権威トレンド」だ。林氏は「人というのは最初から人の話を聞くか聞かないか決めている」と持論を述べている。「話す前から勝負は決まっている。正しいことを言うから聞いてくれるのではなく、この人が言ってるから正しいんだと思わせるように意識しよう」というのだ。ラジオでは例として「机の汚い部下の話なんて聞こうとしない」などと挙げていたが、現実では無職やニート、社会で失敗した人の話はあまり聞こうとせず、成功者の話を聞きたがる。

 

しかし、社会の問題点を最も痛感しているのは「失敗者」のほうなのである。その声に真摯に耳を傾けなければ、世の中の問題点に対して「臭いものには蓋をする」という状態が続くだけだ。その声を拾い上げるには、私も一時期勤めていたマスメディアが重要な鍵になる。自ら失敗者の声を聞きに行こうとしない国民に対して、大きな権威を持つマスメディアがその声を拾い上げて訴えていく必要がある。それもまたジャーナリストの使命だ。

 

ネガティブさを悩む人間がいるが、別に悩む必要はない。そのネガティブさを、様々なことを考えるための原動力にすればいい。そういう人間が増えれば増えるほど、新たな価値観がこの世にうまれてくるはずだ。使い方によってはマイナス思考は大きな武器となるのである。


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