好きなことを好きなだけ表現する

個人ニュース、コラム、写真などコンテンツ豊富なオピニオンサイト

2019年01月22日(水)
個人メディアで戦う現代を生きる

 

インターネットというのは、いわば大海原だ。一昔前は、船頭となるメディア運営者、船の設計士であるプログラマー、船の装飾を担ったウェブデザイナーなど、「海」に携わる人は限られていた。造船技術や航海術も、いまほど進歩はしていなかった。だがインターネットが普及したことによって、そういった専門職に従事していない一般人も、気軽に自分の船で航海できるようになった。

 

その「船」とは、TwitterやFacebook、ブログやその他ウェブメディアなどの、「自分を発信できるツール」だ。最近では、自分で船の設計をし、船を造り、操縦までこなしてしまう個人が増えてきている。自分の船で大海原へと漕ぎ出し、誹謗中傷コメントを投げつけてくる海賊と戦いながら、自分の力で航海する。以前は専門家のフィールドだったが、いまでは個人で戦える場所となっている。

 

私も、そんな大海原に、ちっぽけなイカダで漕ぎ出した一人だ。インターネットの海に漂う「発信者」の一人として、「自分のメディアを持つ意味」について考えてみた。(フリーライター:雨宮紫苑)

 

一般人が「超有名人」へ

 

インターネットの特徴は、不透明さだ。最近は本名・顔出しで活動する人も増えてきたが、その根幹は、「どこかのだれかもわからない人と繋がれる」という不透明さにある。逆に考えれば、「どこのだれでも戦える」ということだ。

 

学歴や職歴が誇れるものでなくとも、インターネットでは「勝ち組」になれる可能性がある。ネット上の有名人は高学歴、優れた職歴を持っている人が多いように思えるが、そういった人だけが自分の経歴を公開しているのであって、実際そうでない人も多いのではないかと思う。要は、インターネットは「おもしろければ勝てる」場所なのだ。Youtuberやブロガーが、その典型と言える。

 

たとえば、ものまねメイクで一気に有名になったざわちんも、SNSやブログでの口コミから注目された1人だ。こういう「おもしろさ」で勝った人たちは、学歴や職歴などは求められない。注目されるのは、「その人がなにをやるか」に限られる。

 

そう考えると、「個人が影響力を持つことが出来る」というのは、なんとも夢のある話だ。もちろん、誰しもが有名になれるわけではない。それでもネット上では、ちょっとしたきっかけで一気に注目を浴びた人が何人もいる。自分のメディアを持つことは、人生を大きく変える可能性を持っているということでもあるのだ。

 

ネット力=ビジネス力になる

 

いまの時代、ネットをどれだけ使いこなせるか、ネットでどれだけ影響力があるかが、そのまま利益につながることが増えてきた。私は経験も知識もないまま「フリーライター」を名乗り、ブログで「自分」を発信しはじめた。いまでは、応援してくださる方も現れ、ブログ経由でお仕事をいただくこともある。誇れる経歴も実績がないにも関わらず、発信を続けていたからこそ、画面越しのだれかに見つけてもらったのだ。

 

フリーランスだけでなく、会社員でも、社長でも同じことが言える。いままでは「直接会って、飲み会に行って、お中元やお歳暮のやりとりをして……」という積み重ねで培ってきた人間関係は、ネット上では必ずしも必要はない。どこのだれであろうとも、期待に応えられる、値段に見合う仕事ができると思ってもらえたら、仕事をもらうことができる。

 

インターネットを味方につければ、それだけでビジネスのチャンスが増える。それならば、「自分」を発信しないのはもったいない。フリーランスならば、ネットでの影響力はそのまま自分の価値に繋がることもあるだろう。会社員でも、ネット上で「優秀」だと判断されれば、他企業から声がかかるかもしれない。インターネットで発信することは、人生の可能性を広げることでもあるのだ。

 

個人がひとりで戦うということ

 

個人で戦うというと、驚くような個性を持ち、ほとばしる才能でまわりを魅了できる人だけができる特殊戦闘だと思う方もいるかもしれない。だが発信者も受信者も、多くの場合、私と同じような凡人だ。だからこそ共感してもらえるし、役に立てることもある。個人としてネットで発信していくからといって、特別である必要はない。むしろ平凡だからこそ、ファンを惹きつけている人だっている。つまり、第一歩を踏み出すだけならば、だれにでもできるのだ。

 

もちろん、リスクもある。ネット上での発信は炎上する可能性をはらんでいるし、個人攻撃をしてくる人もいる。責任はすべて、個人の肩にのしかかる。だからこそ、有名になるのもまた「個人」で、ファンもその人個人を好きになる。影響力を持つとはつまり責任を負うことであり、個人でメディアを運営するなら、その覚悟がないといけない。

 

私は、「みんなネットで発信すべき」と言いたいわけではない。やりたい人がやればいいだけのことで、強制するものではないからだ。だが、自分の居場所を探している人、日常では自分をうまく表現できない人、自分の意見をもっと堂々と伝えていきたい人。そういった人はぜひ、インターネットの海へ航海に出てみてほしい。「自分の名前」の影響力を上げたい、もっと多くの人に認められたい、という気持ちがある人は特に、自分のメディアで勝負してみるといいだろう。

 

自分のメディアを持つことによって自分をより深く知ることができるし、誰かの役に立つこともできる。意外な仕事が舞い込んできたり、思わぬ縁でだれかと知り合うかもしれない。匿名でも、SNSでもいいから、まずは自分が思っていることを思いっきり外へ吐き出してみたらどうだろうか。もしかしたらそれが、想像もしていなかった人生への第一歩になるかもしれない。

 

雨宮 紫苑(あまみや・しおん)


フリーライター
1991年生まれ、ドイツ在住のフリーライター。立教大学在学中にドイツへ交換留学。大学卒業後にドイツへ移住しフリーライターに。東洋経済オンライン、ウーマンエキサイトなどに記事を執筆し、ハフィントンポスト、NEWSPICKS等にも記事が掲載されるなど活躍。自身が運営するブログ「ドイツ発 雨宮の迷走ニュース」は、その鋭い視点で社会に臆することなく切り込む姿勢が人気を博している。

  

FavoriteLoadingこの記事をクリップリストに追加する 
SHIGEFIKA会員ログイン




パスワードを忘れた
新規登録
SHIGEFIKA会員とは
週間人気記事ランキング
最新記事
更新情報/Twitter
常論新聞
編集部からのお知らせ