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自説|天皇陛下の生前退位 国民全体で遠慮なき議論を

天皇陛下が生前退位のお気持ちを表明されてから、まもなく2ヶ月が経過する。国会や日本国内でも様々な議論が巻き起こり、生前退位を特措法で認めるか、皇室典範の改正によって制度を恒久化にするか、生前退位そのものを認めないなど議論百出だ。テレビ朝日系列の政治討論番組「朝まで生テレビ!」においても、2回に渡って「生前退位」について議論が行われた。

 

番組を視聴しながら、ツイッターも同時に見ていたのだが、視聴者から「昔だったら不敬罪だ」という意見を見てつくづく良い社会になったなと思う。私は平成生まれの若輩者だが、天皇陛下の議論になると「タブー」されているところがあり、「不敬だ」「敬語がなってない」という意見が飛び交い本質的な議論に及ぶまでが大変なのである。

 

儀礼的なものにこだわりすぎると議論は進まない。時には「不敬だ」と言われることも議題として取り上げなければ、本質的な議論は不可能だ。現在の制度を維持したい者から、天皇制そのものに疑問を持つ者まで、多種多様な論客が自らの意見を素直に表明する良い議論の場であった。先ほど紹介したように視聴者から見ると、「不敬」に映った言葉もあったようで、不快を表明する者も散見したが、儀礼的なものにこだわりすぎないからこそ議論の活発化に繋がった。

 

民主主義国家となった現代に置いて、天皇陛下ら皇族の基本的人権が存在しないという乖離がある以上、遅かれ早かれ「皇室の在り方」そのものが議論の対象になるのは避けては通れない。「人間宣言」をする以前は「元首」として絶対的な存在で、制度そのものに疑問を感じる者など少数であり、またその考えを持ってはならなかった。しかし成熟した民主主義国家となった今、人権的問題や象徴天皇制、皇位継承問題などさまざまな問題点が指摘されるなかで、ジャーナリストの青木理氏のように天皇制を廃止すべきだと主張する者が出てくるのもなんら不思議なことではない。

 

今上陛下に対する国民の尊敬は、即位以来28年間ご公務に尽くされてきた歩みの上にある。しかし、ご高齢であることや、病気を患いながらの負担の大きい公務をされるお姿は、不敬を承知で申し上げると「残酷」なようにうつる。自由がない皇室での生活は、私のような不心得者からすると、我々国民がその生活を押し付けてしまっていると感じてしまうのだ。

 

このように言うと、「とんでもない危険思想の持ち主だ」とレッテルを貼られてしまいそうだが、そんな状況を目にしながら「天皇陛下として頑張って公務続けて下さい」とは言えない。個人としては出来れば今後も皇室の発展をと願っているが、その意見は先述した「残酷さ」も併せ持っていることを痛感する。そして、多くの国民もその一面を強く認識すべきだ。

 

政権は特措法で一代限りにする意向を示しているが、天皇陛下は先日のお言葉のなかで「これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました」と言及された。ご自身だけでなく、今後皇位継承される皇族の方へも思いを馳せておられる。

 

皇室典範改正になると時間が掛かるということならば、特措法で今上陛下の負担を軽減することも考えなければならないが、この問題は一時的に、一代で済まされるものでは決してない。特措法成立後も議論しなければならない問題であり、また象徴天皇の在り方や、日本の皇室制度について、国民全体で様々な立場から議論したい。


  

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