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別府市がパチンコなどの遊興施設立ち入りで、生活保護給付を停止した問題について
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生活保護受給者のパチンコや競輪場などの遊技場への立ち入りを調査し、2回以上見つかった者に1、2ケ月の支給停止処分を行ってきた別府市と中津市。厚生労働省や県から「不適切な処分」と指摘を受け、今後処分を停止する考えを示した。9日に、生活保護支援九州・沖縄ネットワークの弁護士ら4人が別府市役所を訪れ、「支給停止は違憲」とする意見書を提出していた。今年度は9人が支給停止処分を受けている。

 

別府市は生活保護を申請する者に対し、パチンコ店に立ち入らないという任意の誓約書の提出を求めており、1度違反した者には更に「支給を廃止されても異議はありません」とする誓約書にサインしてもらっているという。生活保護法第60条には支出を節約する義務を受給者に課しており、同市ではこの条文を根拠に支給停止処分を行ったとしている。

 

一方で、生活保護受給者がパチンコや競輪などを禁止する法律はなく、支給停止はやりすぎだとの声もある。2013年に兵庫県小野市が「小野市福祉給付制度適正化条例」を可決したが、同条例はパチンコなどの遊技場での浪費をし生活維持が出来なくなる事態を防止するため、市民が市に情報提供をする責務などを定めたもので、支給停止などの罰則規定はない。意見書を提出した生活保護支援・九州ネットワークらは「ギャンブルは良い事だとは思っていないが、ギャンブル依存症や金銭管理下手などが背景にある。そういった必要な支援に力をいれてほしい」と訴えている。

 

今回の一番の問題は生活保護法60条に違反しているかどうか、罰則が適用されるべきなのかである。日本は法治国家であるため、罰則は全て法律に基づいて行わなければならない。別府市側が処分の根拠としている生活保護法60条をみてみると、

 

生活保護法第60条
「被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない」
と明記している。

 

その一方で、

 

第27条2項
前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない
という条文もあり、合法であるパチンコを理由に「廃止」処分をするのは行き過ぎであるとの声もある。

 

私なりに条文を解釈すると、基本的に合法であるパチンコなどのギャンブルを禁止する明確な条文はなく、受給者の自由を尊重する条文があることを踏まえると、今回の別府市の対応はやや行き過ぎであると感じている。“生計の状況を適切に把握するとともに節約や生活の向上に努めること”という条文は、ギャンブルなどによって支給金額を超えるほどの出費をしないように努めなさいという主旨ではないだろうか。

 

一方で、労働して納税したお金がギャンブルなどに使われることをよく思わないとする心情も理解できる。しかし、現状法律上ではパチンコやギャンブルを明確に否定するものはない以上、罰することがあってはならない。仮に処分するならば法律や条例を整備する必要があるが、合法のギャンブルをしたら罰則を受けるというのは人権問題に発展するだろう。

 

支給の範囲内であれば、私は何に使おうが基本的には問題ないのではないかという立場だ。「最低限度の生活」という文言は人によってイメージするものが違うのだろうが、私は「娯楽」も最低限度の生活に必要な要素であると考えている。ただ、ギャンブル依存症ややりすぎによって生活がままならなくなる、支給額を超える浪費をしてしまう事に関しては対応を検討しなければならない事案である。依存症は直ちに治療しなければならないし、支給額を超える浪費を複数回した場合は停止処分も含めて検討するべきではないだろうか。

 

最低限度の生活について、1度考えてみる良い機会になりそうだ。


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