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自説|”民意”はどこまで重要なのか
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政治家やニュース・ワイドショー番組などでよく聞く言葉「民意」。先頃よくニュースになっている安保法案や、普天間基地移設問題等で耳にすることが増えた。私たちが住んでいる民主主義国家での”民意”には、この国の在り方をも決める非常に重要なものであり、その為政治家もニュースでも”民意”という言葉をよく使う。逆に言えば民意という言葉を使えば相手の意見を封じ込めることが出来るほどの大きな力=言葉を言い換えれば恐ろしい力でもある。

 

しかし、当然ながら民意が全て正しい結果に導かれるわけではない。あの有名なヒトラーを産み出したのは、当時最も民主的と言われたヴァイマル憲法下で公正な選挙によって選ばれた”民意”であるし、日本の太平洋戦争開戦でもマスメディアと国民が民意として開戦を要求していたし、イラク戦争も開戦に支持した米国民は76%にも上っていたという世論調査もある。これらは当時の”民意の中”では正しかったのである。ただ、この後どうなったかは言うまでもない。

 

ただ、民意であろうとなかろうと”間違いは必ず起こる”ものである。が、それは即ち民意は”絶対視されるべきもの”というわけではないということだ。そしてその民意の一番の問題点は、その責任の所在である。確かに政治家には国民の代表者として、国民から支持された公約を着実に実行する責任がある。だがその一方で、選んだ民意というものには責任はない。首相が閣僚達を選ぶことには任命責任というが、民意には一切責任が存在しないのだ。「騙したのが悪い」「見抜ける訳が無い」などと言うならば、首相の任命責任も「見抜けるわけがない」のだから選んだ責任など取らなくて良い。

 

また某タレントの不倫騒動などでも、民意という大きな力が「1人の人間」の人生を圧し潰そうとしている。自業自得という側面も大きいものの、責任の所在がない”大きな力”は、歯止めのきかない”危険な力”でもあることが、今回の騒動で身にしみて感じるところである。善良な民の執拗なバッシングによって、彼女の人生が圧し潰されたとしても、1人の人間の人権が民意によってないがしろにされてしまったとしても、民意や国民一人一人は悪くないのが民意なのだ。それはバッシングされるのが悪であり、バッシングする側には何の落ち度も責任もないからという現状である。

 

民主主義を否定している訳ではない。独裁者制度は、国民の為に統治する独裁者が続くとは限らず、長期的に見て危険な制度であり、どちらの国に住みたいかと言われれば断然民主主義国家だ。ただ、その民主主義国家には”民意が必ずしも正しいわけではない”と言う事と、”民意は無責任なものが多い”という問題点があることを訴えたいのだ。

 

衆愚政治とも言われる民主主義であるが、それに優る政治体制もないのも事実。ならば私たちはどうすれば良いのだろうか。一番に言えることは様々な意見に目を通す際に多数派や少数派、非難されるかされないかを”気にしない”ことである。私たち一般の民には政治的な専門的知識が乏しい。難しい問題を深く考えることなく、問題を回避したり、どうしても他人任せにしたり、問題を棚上げしてしまう。どうしても選ばなければいけない際の判断要素として、どちらが多数派でどちらが少数派かを気にしてしまう機会が多い。しかし、それは民主主義が衆愚政治となるそのものであり、民主主義の決定的な欠点である。

 

民意は、国民のレベルが表れてしまうものでもある。国民一人一人が政治に関心を持ち、それぞれ意見を持つことが大事であり、今現在で最も”民意”の責任を持つ方法である。マスメディアからの情報を鵜呑みにしないメディア・リテラシーを持とうと努力し、選挙時に各党のマニフェストを比較し、分からない部分は自ら調べる。最低限度そこから始めることが大事なのではないだろうか。また子どもに対し、大人達が中立公平な政治を教え、子どもたちが自ら興味を持ち判断するようにすることも大切である。

 

民主主義の主権者は国民である。即ちこの国を良くするも、悪くするのも私たちであることは間違いない。民意の重要度は私たち国民がどれだけ政治に関心を持っているかによって変わってくる。民主主義国家の一員ならば、私たちは政治に関心を持たなければならないし、その一人一人の言葉の重さ・影響力を認識しなければならない。民意という言葉は、政治家に良いように使われ、盾にされてしまう大きな言葉だ。そんな大事な言葉を安易なものにしないためにも、しっかりと国民が政治的関心を高めていきたい。私たちの”一票”が民意として示される参院選は、今年の7月にやってくる。

 


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