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2019年01月23日(木)
<森友学園問題>塚本幼稚園の学校の政治的中立性に疑義 愛国教育は大人の自己満足だ

ホームページ上から削除された安倍昭恵氏の挨拶=瑞穂の国記念小学院

国有地を破格の安値で購入していたとして波紋を広げている学校法人・森友学園が運営する「塚本幼稚園」(大阪府大阪市)では運動会の選手宣誓で「大人の人たちは、日本が他の国々に負けぬよう尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国・韓国が心改め、歴史教科書で嘘を教えないようお願い致します」「安倍首相頑張れ、安倍首相頑張れ」「安保法制国会通過よかったです」などと言わされていたことが報じられた。

 

「安倍総理頑張れ」と園児に言わせることは、教育基本法第14条2項の「法律に定める学校は特定の政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」という条文に抵触している可能性がある。

 

この園児たちの映像を見ていると、筆者が幼稚園時代に運動会の開会式や朝礼で宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を暗唱させられていたことを思い出す。今振り返ってみれば、「子供に暗唱させる」という行為は親や先生の自己満足でしかない。もちろん暗唱することによって、暗記力など脳的な分野で良い結果が得られるかもしれないが、雨ニモマケズを子どもが繰り返し言ったところで、作中に出てくる立派な大人になりたいと思うわけではない。先生に言われたから、言わないと怒られるから、言ったらすごいねって褒められるから、ただ言ってるだけなのだ。それを見て先生たちは教育をしているつもりなのだろうし、親は立派な教育と思うのかもしれないが、教育を受けた実感としては別に雨ニモマケズでなくてもよかったのである。

 

この塚本幼稚園の園児たちも同じではないか。保守系の保護者や先生たちが、子供達に自分の思想を押し付けて、繰り返し言わせて自己満足しているだけに過ぎない。これを「教育」と言われても私はピンと来ない。同学校法人が今年4月に開校予定の「瑞穂の国記念小学院」の名誉校長を辞任した安倍晋三首相の妻・安倍昭恵氏は「普通の小学校に入ってしまうとせっかくここ(塚本幼稚園)で芯ができたものが揺らいでしまう」と発言していたが、子供達は理解もせずに言わされているだけなので大人たちが思っているほどの「芯」は育まれていない。だが、物心つく小学校時期にも同じ手法で教育すれば、情報化社会の現代で危険な固定観念を持ったまま育ってしまう恐れがある。「大人たちの自己満足」にしても、「固定観念を持たせる教育をする」にしても、いずれにしても教育上に問題があると私は考える。

 

学校の教育方針そのものは学校側が自由が決められるのは当然のことだろう。しかし、政治に関してはなるべく中立的であるべきで、思想教育にもつながれば子供に固定観念を植え付けることになってしまう。「日本を悪者として扱っている中国韓国が心を改め、歴史教科書で嘘を教えないようお願いいたします」という部分は、子どもたちが両論を聞いたうえで自分たちで考えさせるのが本当の教育だ。情報社会の昨今、一つの説が正しいと教え込まれ、それを疑いもせずに信じ続けると、自分が信じ込んでいる情報だけを集めることにつながる。さらに、情報を疑ってかかるということができずに育つ。これが昭恵氏のいう「芯」というものなのだろうか。愛国であろうが、反日であろうが、一方の情報しか与えない教育は私は反対だ。右派、左派問わず多くの勢力がこのような教育をしようとすることに納得がいかない。

 

知識というのは自分で情報を処理するための素材でしかない。それらを自分で組み合わせたり、知識に対して疑問を持つことで、ようやく深い考えを持つことができる。知識をたくさん持ったところで、それをうまく使いこなさなければ「宝の持ち腐れ」になる。この学校が行なっている教育はどうか。そう言った知識をたくさん収集して、組み合わせる力や疑問を持つ力などの「考える力」を奪っているのではないのか。結果ありきの教えは教育ではなく誘導であり、言葉悪く言えば洗脳だ。

 

人を殺してはいけないなど、他人の生命を脅かす事柄などに関しては「洗脳」と呼べる誘導を行っても有益だろう。だがそれ以外は基本的に賛成意見、反対意見などさままざまな意見に触れさせて、自分がどちらの言い分に納得できるかを理由を踏まえて考えさせる必要がある。塚本学園に限らず、ネット空間や社会全般としてもこのような考えは必要不可欠に思える。


  

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