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2019年01月23日(木)
非武装中立は、理不尽な事態になっても覚悟しろと国民に要求することだ

お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔氏といえばお笑いコンテスト「THE MANZAI」で政治風刺漫才を披露し、一躍脚光を浴びた人物だ。それ以前からAbema TVの番組や、テレビ朝日系列の政治討論番組「朝まで生テレビ(朝生)」などで積極的に発言し、その発言が賛否を巻き起こしていたのは知っていた。

 

そんな彼が再び注目を集めたのは、年明けすぐの朝生での発言だった。「激論!”平成30年”日本の未来」をテーマに、政治家、学者、弁護士などが議論をしていたが、番組の後半で憲法と自衛隊について話が及ぶと、村本氏が戦力を破棄すべきだと唱えた。さらに「(尖閣諸島を中国が取りにきたら)取られてもいいです。明け渡します」と発言。法哲学者の井上達夫氏に「敵を殺さないと自分が殺される状況に置かれたらどうするの?」と尋ねられると、「殺されます。だって誰かを殺すわけでしょ?」と答えた。

 

彼の政治に対する姿勢や、社会に対する切り口に共感を覚えることもあるが、非武装中立には反対だ。井上氏が言ったように、彼個人が「自分は絶対に人を殺したくないから、殺された方がマシだ」と言って殺されるというのは、立派なことなのかもしれない。しかし、非武装中立は彼個人だけでなく、「妻や子供、恋人を守りたい。大事な人を身勝手に殺されたくない」と思う人たちにも押し付けてしまう。

 

さらに尖閣諸島を明け渡すと彼は言った。島を簡単に明け渡すということは漁師の漁業権にも深刻な影響が出ることは間違いない。さらに「攻めたら明け渡してくれる」と知られれば、いつか訪れるかも知れない世界大戦時などの有事の際、なんらかの「正当性」を主張して、理由をつけて領土を奪いに来ることもあるかもしれない。それを守る術を放棄するならば、日本は主権を持っていないに等しくなる。人が住みついていない尖閣諸島ならまだしも、仮に人が住んでいる島だったらどうなるのか。身勝手に入ってきた人のために、無抵抗で明け渡し、自分が住んでいた郷土や文化が全て失われてしまうことになる。非武装中立は一見平和的に見えるかもしれないが、国民にとってかなりの理不尽な事態が起きても、無抵抗で明け渡しなさいと理不尽な要求をすることでもある。

 

米軍基地反対派は「沖縄は基地を押し付けられている」と主張している人が多い。だが非武装中立になり、有事の際に誰かから侵略されればそれ以上に理不尽なことが起きる。米軍による理不尽な事件も相次いでいることは間違いないが、その米軍の理不尽さに怒りを感じている人が多いのならば、非武装中立によってもたらされるそれ以上の理不尽さには誰も耐えられるはずがない。仮定の話をして国民に恐怖感を煽ると言う人もいるが、「どこも攻めてこない」という“仮定”を信じられるような根拠がどこにもない。その点、最悪の事態を仮定して、それに備えることを考えた方が安全保障を考える上では得策である。


  

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