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自説|自衛隊は間違いなく戦力であり、”日本軍”として憲法で認めるべき

最近、安全保障に関する記事が多いのは、個人的に最も”思いが強い”ニュースだからだ。実は中学時代から、日本の自衛隊について考えることが多かった。というのも父が在籍した期間は4年だったが、元陸上自衛官だったのだ。かといって特別に父から何かを教えこまれたと言う訳ではない。しかし、子どもながらに日本はどうやって守られるのだろう、父がいた陸上自衛隊と軍隊と何が違うのだろうという疑問が頭に渦巻いており、Wikipediaで海上警備行動など欄をずっと読みふけっていた記憶がある。

 

平和授業というものが小学校や中学校時代に行われた。そこでは、クラス全員が同じ様な意見で「戦争は絶対にやっちゃいけないものです」と口を揃える。ところが私は、「何故日本だけが軍を持ったらいけないんだろう」「自分が国づくりをスタートさせるとしたら、敵の侵略から民を守るために兵隊の増強は必ず行う。国作りをテーマとしたパソコンゲームをプレイする際にも、他国からの侵略に抵抗する兵力は必ず持つ。しかし、それを持たない国が、本当に国民を守れるのだろうか」と本気で考えていた。その基本姿勢は現在も変わっていない。決して軍国化を望んでいるわけではなく、自衛のための軍を何故素直に持つことが出来ないのかが疑問だったのだ。

 

そして現在、「憲法改正」「安保法案」「集団的自衛権」といった安全保障の議論が活発化され、多くの意見を目の当たりにすることが出来た。今回は筆者が考える安全保障論を改めて記事にしてみたい。

 

何故、自衛隊は軍隊じゃないのか

 

日本国憲法第9条第2項の前段部分には「陸海空その他の戦力は、これを保持しない」と明記されている。学校で習った「戦力の不保持」である。しかし、待って欲しい。日本には陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊という組織が存在している。隊員は小銃を持ち、陸上自衛隊は戦車、海上自衛隊は最新鋭イージス艦、航空自衛隊は戦闘機を保持している。何故この組織を”戦力”として認めないのだろうか。

 

現在の政府解釈では、国際法では各国に自衛権が認められており、日本も自衛権を破棄した訳ではない。従って自衛権を行使する必要最小限度の範囲内は”戦力”ではなく、“実力”であり、他国に脅威を与え得る攻撃兵器等を所有すれば”戦力”であるという立場をとってきた。

 

しかし、必要最小限度の範囲とは一体どこまでが最小限度なのか、明確なものではなく、防衛用の兵器であっても殺傷能力を有している為、いずれもとても曖昧なものだ。私は、国際法で認められている自衛権を日本が放棄していないのならば、その自衛権を行使できる戦力としての自衛隊=軍をはっきりと憲法に明記するべきだと考えている。そのほうが非情に明解で解釈の余地もない。子どもに自衛隊は軍ではないと教え、「?」を抱かせることもなくなるだろう。

 

だが、日本には不思議と「軍隊アレルギー」が存在していて、軍の創設となると多くの反対派が存在する。左派と呼ばれる勢力からは、戦前の軍国主義に戻そうとしているなどと、ネガティブキャンペーン貼られることだろうが、他の近代的な軍隊を持っている国々で、戦前の日本と同じ状態という国がいくつあるだろうか。

 

どの国にも自衛権は国際法で認められており、国民の生命、財産、文化、権利等を守るために”軍隊”という組織を創設し、安全保障を担っている。ところが私が住む国の安全保障は、軍隊が担っているわけではないという。装備など、おおよそ軍隊としか思えないものが、軍隊ではないという謎な理屈がまかり通っている。もうこんな誤摩化しはやめ、素直に安全保障における軍隊の重要性を正面から見つめる必要があるのではないだろうか。

 

理想として、軍隊が無い世界というのは、確かに素晴らしい。しかし、世界政府もない、世界の警察も存在しない(以前はアメリカが自称していたが)、ISILなどのテロ組織が幅広く活動している世界情勢を見てみると、国家の安全保障を担う軍事力を放棄する訳にはいかない。もちろん軍拡競争になってしまうことに懸念材料があるものの、それは世界規模で話し合わなければならないことであり、日本だけが軍隊を手放す理由にはならない。

 

軍隊を持つ=戦争するなどという短絡的な問題にしてしまいがちだが、そうではない。国の安全保障を担う1つの重要ツールが軍隊だ。小学校、中学校時代には反戦的な授業が行われる。そういった面での授業も大切だが、一方で日本の安全保障を請け負うものであることも教えなければ、この”国民的軍隊アレルギー”は日本の安全保障に支障をきたす恐れを増幅させる。

 

現在の自衛隊法が自衛官を危険に晒す

 

「自衛隊員に血を流してほしくない」という思いは、私にもある。「血を流さないで!」と言ったほうが体裁は良いだろうが、実際国防を語る際にそんな奇麗ごとは言ってられない。そもそも自衛隊が出動し、戦闘行為となる場合は、外交交渉が失敗し、最悪の事態(=他国と武力衝突)になった場合だ。そう言った事態を想定し、創設されたものが自衛隊であり、血を流さないことを目的とした組織では決してない。血を流さない組織ならば、非営利団体などと一緒だ。最悪な事態になった際は血を流す覚悟で、国を守る組織であるのが自衛隊だ。この組織が無ければ武力衝突が起こった時、他に誰が国を守るというのか。それこそ反対派が最も嫌がる徴兵制となってしまう。日本の最終手段それが自衛隊なのである。

 

かつて吉田茂首相は、第一回防衛大学校の卒業式で「君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。きっと非難とか誹謗ばかりの一生かもしれない。御苦労だと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。言葉を換えれば、君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。」と述べている。自衛隊が日本の最終手段という言葉の意味を端的に捉えた言葉だ。

 

その自衛隊は現在、憲法、自衛隊法など様々な法律によって、多くの制限を受けながら活動している。私としては、その”制限”こそ自衛隊員の身を危険に晒すことになることになるのではないかと考えている。例えば、自衛隊法84条に目を向けてみる。84条には、昨年度、実に900回以上を数えた領空侵犯について記述されている。そこには、領空侵犯機に対し、「着陸させる」もしくは「領空外に退去させる」の2つの選択肢しか記されていない。軍用機に対する攻撃について何も書かれていないのだ。国際法では、民間機以外の航空機が領空侵犯してきた場合、撃墜することも認められており、日本の法律はより制限掛かっていると言っていい。またかつてカンボジアのPKOにおいて、日本人の選挙監視要員を警護していた自衛隊は、監視員が銃撃されても、現行法では駆けつけ警護できないため、選挙監視要員の前に立ちはだかり、自分が攻撃を受けたという理屈で「正当防衛」することによって、反撃する体勢を整えていたという。(参照:武器使用で日本は独自に制約—朝日新聞)

 

軍隊を自由にさせすぎることは大きな問題だが、現行法は制限や曖昧なものが多く、却って隊員を危険な目にさらしてしまうことは明らかだ。それこそ、自衛隊員が血を流してしまうことに繋がってしまう。

 

安全保障を考える場合、二段階に分けて考えなければならない

 

国の安全保障を考える際には、大きく2段階に分ける必要がある。戦争をしない為にどうするかを考える「外交交渉」が第一段階、次に第一段階の外交交渉が失敗した際に、外国と武力衝突となり「自衛権」を発動する第二段階だ。

 

一番肝心なのが、戦争しない為にどうするかを考える「外交交渉」なのだが、私のいう憲法改正や自衛隊法改正は第二段階に対するものである。この2つがセットとなり、初めて日本の安全保障は確保される。外交交渉だけでは安全保障が確保されたとは到底言い難い。

 

恐らく護憲派と呼ばれる方々は、第一段階のみを重要視しているからこそ「対話による安全保障」と主張しているのだろう。そして、改憲派は第二段階を重要視している。この第一段階と第二段階では考え方がまるで変わる。だからこそ、護憲派と改憲派の対立が激しいものとなってしまう。第一段階では、武力衝突を避けるための”譲歩”も視野にいれなければいけない。しかし、第二段階を考える際には”自国最優先的”な考え方をしなければならない。この考え方の差異により、第一段階と第二段階を分けずに議論をすると深い衝突になってしまうのは必然といえる。

 

戦争を避けることが最優先という意味で、最も肝心なものは外交交渉であることは言うまでもない。だが、先述した通り、現憲法下での法整備では、第二段階の整備が著しく不備なものとなっている。それは安全保障に対する国民の意識の希薄さ、安全保障における軍隊の重要性を国民は学ぶ機会がなく、軍を持つ=いけないこと、戦争を起こすこと、などという”軍隊アレルギー”が存在していることも大きな要因だ。

 

軍事力によって、国民が守られている面が存在することを、きちんと国民が理解する必要があると私は考える。反戦も大事だが、それだけでは現実ではない。憲法も国民もそろそろ”ごまかし”はやめるべきである。

 


  

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