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自説|「土人発言」 問題点を見失うな

 沖縄県米軍北部訓練場の工事を巡り、派遣されていた大阪府警の20代の機動隊員2人が反対派の市民に対し、「土人」、「シナ人」と発言した。この発言により、機動隊員は戒告の懲戒処分となり、沖縄県議会の与党会派は機動隊の撤退を要求する決議案を提案する方針を固めた。多くの著名人もこの問題に言及するなど、県内外で大きな波紋を広げた。

 

 「土人」や「シナ人」という発言は不適切だ。差別的な発言でもあり、追及されれば誤りを認め、正さなければならない。反対派も同じである。抗議活動のなかで「不適切」発言は許されるものではない。ただ、気持ちが高ぶる激しい応酬のなかで、不適切発言が双方から出てくることは予想され、考慮はされるべきだろう。

 

 機動隊擁護派、反対派双方とも疑問を感じる。擁護派は「反対派の市民もひどい発言をしている」という意見が目立つが、相手がひどい発言をしていれば何をも発言していいということにはならない。市民の発言を問題視するならば、機動隊員の発言も同様に問題視しなければならない。隊員の発言を戒めたあとで、反対派の意見を追及するのが筋だ。おそらくこの理論は好き嫌いそのもので、相手が「反対派市民」だからという論に基づいている。

 

 反対派はこの発言を問題視するのは結構だが、追及を深めてもなにも変わらない。激しい応酬のなかで、そこを取り上げられれば誰でも不適切な発言があるからだ。「沖縄差別が根底にある」という意見もあるが、その状況下での発言に沖縄差別があったと考えるのはいささか短慮だ。

 

 不適切発言が許されるわけではないので、今回の報道は意味があった。この報道をきっかけに双方が言葉遣いを気をつけるようになるはずだ。しかし、今後の追及は行うべきではない。

 

 本来は北部訓練場のヘリパッドの工事の是非、ひいては近隣住民の騒音、環境破壊等の負担が最大の焦点だったはずだ。暴言とその応酬、さらに追及を繰り返せば本来の焦点が霞んでしまう。徹底的に追及すればするほど、暴言というレベルの低い争いを感じて第三者の目は離れていく。それは反対派にとっても喜ばしいことではないはずだ。

 

 激しい応酬のなかで「不適切な発言」があった。顔がうつった状態で全国に向けて放送されるなど、大きく取り上げられ、言った本人たちも戒告処分になった。不適切発言をした隊員たちを擁護するわけではないが、すでに相応かそれ以上の処分や制裁を受けたのだ。そろそろ本来の焦点に戻すべきではないか。


  

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