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【韓国】慰安婦像設置に強い対抗措置 意思表示は当然だが関係悪化に懸念
慰安婦像

 
韓国・釜山にある日本総領事館前に昨年末、慰安婦像が設置された。この問題で日本政府は駐韓日本大使の一時帰国や、日韓通貨交換協定の協議中断などの強い対抗措置を取った。両国は15年12月末に「最終的かつ不可逆的に決着する」とした日韓合意発表しており、それを反故するかのような動きに、大使の一時帰国という強い抗議の意思を国内外に示す形になった。

 

菅義偉官房長官は6日、記者会見で「領事関係に関するウィーン条約に規定する領事機関の威厳等を侵害するものと考える」と批判した。ウィーン条約は国際的な外交に関する慣習法を明文化したものだ。韓国の市民団体が日本総領事館前に慰安婦像を設置し、それを撤去する措置を取らなかった韓国政府は、ウィーン条約22条2項に定められている「接受国(今回の場合は韓国)は、侵入又は損壊に対し使節団の公館を保護するため及び公館の安寧の妨害又は公館の威厳の侵害を防止するため適当なすべての措置を執る特別の責務を有する」という条項に違反するという。

 

合意内容とウィーン条約への違反に対する対抗措置としての今回の日本政府の強硬姿勢は大きな意味を持つ。韓国は速やかに合意内容を履行し、条約に則った措置をとるべきだ。韓国は以前より、罪刑法定主義や法の不遡及などの近代法の原則よりも世論を優先すると指摘されてきた。産経新聞元ソウル支局長を名誉棄損で起訴したことや、事後法であると問題視された通称・反日法の適用などがそれにあたる。世論重視ばかりする傾向は外交では通用しない。大衆迎合のような行為は国内では支持されても、国際的な信用を落とすだけだ。

 

ただ、市民団体の行動そのものにはある程度の自由は認められるべきだろう。今回の抗議はウィーン条約と日韓合意を無視した政府に対しての抗議であり、市民団体にではない。慰安婦問題の真偽はともかく、市民団体が国内で慰安婦像を設置する動きについては韓国国民の好きにすればよい。問題視すべきなのは国外に慰安婦像を設置した場合と、国内外に設置された慰安婦像を合意に沿って撤去しようとしない政府のみである。日本のネットでは市民団体が慰安婦像を設置したことに対する批判の声もあるが、反対に内政干渉をされたくなければ韓国の「国内の問題」をわざわざ声をあげて批判する必要もない。それに市民の主張や権利はどこの国も認められるべきだ。

 

日韓合意をした際に市民団体がこのような行動を取るだろうということは予測できた。それを踏まえて「最終的かつ不可逆的な合意」という文言を入れたのだろう。これにより韓国政府は厳しい立場に立たされてしまった。朴大統領の弾劾裁判について問題になっているが、次の大統領は世論と国際的な信用や経済的な問題に板挟みになりながら、難しい舵取りを任されることになる。

 

今回の強硬措置で、韓国政府がどのように動くかが注目される。韓国世論は当然日本へ反発するだろう。その世論に煽られ合意内容が反故されることがあれば、いよいよ両国の対立は深刻化する恐れがある。まずはしっかり韓国政府が国際条約や慣習を守る姿勢を見せなければならない。

 

関係悪化は避けられない事態となりそうだが、あまりエスカレートすることのないよう両国とも冷静であってもらいたい。


  

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