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慰安婦問題妥結、これで日韓関係が回復する訳ではない

 

昨年末、ひとつの大きなニュースが速報として流れてきた。日韓関係をこじらせていた所謂「従軍慰安婦問題」に対する日韓外相会談が開かれ、両国が「最終的かつ不可逆的な解決」で合意したのである。昨年8月に安倍晋三首相が発表した70年談話での「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」という文言の実現に向け、今回の合意は大きな転換期を迎えることになるのだろうか。

 

何故この時期の妥結だったのか。ここ最近産經新聞の前ソウル支局長が朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損した記事を書いたとして在宅起訴されていた問題に、無罪判決が出たことや、1965年に日韓の財産や権利などが最終的に解決されたという日韓請求権協定の内容が違憲だとした違憲訴訟に対し、韓国の裁判所が原告の請求を却下したことなどが相次いだ。対日政策でなんとしても結果を出したい韓国政府に対し、少しでも良い条件で合意を得られる絶交のタイミングだと日本政府はにらんだのではないだろうか。

 

また、今回の合意で「最終的かつ不可逆的な解決」を両政府が確認した事実は、日本にとって大きな成果だと言える。韓国政府は、国内の世論によって要求を二転三転と変えることから、「ゴールを動かす」「ムービングゴールポスト」などと言われている。最終的な解決で合意したとすると、今後ゴールを動かすことになれば国際社会からの批判は免れない。アメリカのケリー国務長官も「国際社会に今回の合意を支持するように訴えていく」と今回の合意に支持を表明し、台湾の総統府も「日本政府の行動を評価する」としている。そうした中、韓国国内では、新聞や世論が「最終的かつ不可逆的な解決」に不満の声が多くあるようだ。

 

一方で懸念もある。それは合意の内容の中に「軍関与」の文言が記されていることである。岸田外相は記者会見で「慰安婦問題は軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」と述べた。軍関与とはどういう意味なのか。もしこれが「軍による強制連行」を指すのであれば、日本国民からの批判が出てくるのも仕方ない。強制連行についてはかつて朝日新聞が取り上げ、旧日本軍が朝鮮人女性を強制連行したとする従軍慰安婦問題の発端となった所謂「吉田証言」は、虚偽であったと朝日新聞が認め謝罪している。この吉田証言は、国連が慰安婦を性奴隷と認定したクマラスワミ報告でも資料として採用されている。岸田外相が会見で述べた軍関与が強制連行を指すのであれば、国内外において、慰安婦の”軍関与(強制連行)”ついては未だ大きな議論されている段階であるにも関わらず、日本政府が認めてしまうことで将来の禍根の元になる可能性も否定できない。

 

両政府は「最終的かつ不可逆的な解決」と言うが、上述した内容を踏まえると、これで「最終的な解決」になるとは日韓双方の視点からみても到底思えない。安倍首相が実現を目指す、今後の世代が謝罪の宿命を背負わせないようにとするための判断であることは理解し支持するが、日韓関係の回復にはまだまだ時間が掛かりそうだ。

 


  

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