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<衆院選>希望の党の敗因は排除発言だけではない

22日に投開票された第48回衆院選は自民、公明両党が過半数を大きく上回る議席を確保し、憲法改正発議に必要な310議席を超えた。解散前には厳しい選挙戦を強いられると見られていたが、蓋を開けてみれば自公が大勝という結果になった。

 

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一方、野党は選挙前に「政権交代」と囁かれていた「希望の党」が大失速。支持基盤であるはずの東京の小選挙区でわずか1議席しか確保できなかった。対照的に希望の党から排除された側となった立憲民主党が野党第一党になるなど躍進した。

 

勢いがあったはずの希望の党が急激に失速して大敗という現象が象徴的な選挙だったが、小池百合子代表の「排除」発言が大きく影響したのではないかと言われている。小池氏自身も「排除は強過ぎる発言だった。これで有権者が立憲民主党に流れた面は否めない」と反省の弁を述べている。さらに、希望の党創立メンバーで、小池氏のお膝元である東京10区から出馬するも落選した若狭勝氏はフジテレビ系列の朝の情報番組「とくダネ!」に出演し、「あれ(排除発言)で風が変わった気がします」と述懐した。しかし、そんな単純なものだろうか。排除という言葉は激しい表現ではあるものの、政党として理念が共有できない者を公認しないことは批判されるべきものとは思えない。

 

むしろ排除しきれなかった点が大きいのではないか。安保法制にプラカードを掲げて反対していた民進党議員たちが「踏み絵」を踏んで公認となった。しかし、それは左右両陣営から「政治信条を曲げた人たちの集まり」「選挙目当て」と見られた。そんな人たちを公認した希望の党も、結局は「何がしたいのかよくわからない政党」「野合」だと受け取られてしまい、元々政策が違うリベラルだけでなく、保守層の支持を広げることができなかった。そしていつしか同党の勢いは尻窄みとなっていった。

 

小池氏に対する不信感も大きな原因だ。記者からの質問に答える姿勢は、決して丁寧に答えているようには見えなかった。本人の反省の弁である「驕り」に見えた有権者も多いはずだ。他にも、個人的には国政政党の代表と都知事の兼務が必ずしも悪いとは思わないものの、有権者から見て都政を疎かにしていると思われたこと。さらには都民ファーストの会から創立メンバーでもある音喜多駿、上田令子両都議が小池氏を批判しながら離党したことも小池氏への不信感を増幅させた。

 

都知事選や都議選で圧勝し、マスメディアでも大きく取り上げられたことで、驕りがあったと思われても仕方ない。今後は民進党議員たちの合流で「すぐに足元がぐらつきそうな政党」という印象から脱却し、自民党に代わる保守政党というイメージに変える必要がある。それには求心力のあるリーダーが必要だ。残念ながら今回の選挙戦で小池氏の求心力低下は避けられそうにない。わかりやすく、明確な政治信条を持ち、有権者に訴えかける発信力を持ったリーダーは必須だ。そうした強い求心力を持ったリーダーが党内をまとめあげられれば、再び保守層からの支持も得られるだろう。

 

今回の選挙戦の一連の流れを見ると、小池氏は残念ながら党内をまとめきれているようには見えない。上述の通り、質問に答える姿勢にも問題があり、分かりにくいカタカナ語を多用したり、はぐらかすような答えばかりでは、とても発信力があるとは思えない。小池氏がそれを猛省して、もう一度政党運営を見直すか、もしくは代表交代も選択肢にしなければ、希望の党はさらに失速してしまう可能性がある。

 

自民党、公明党が圧勝したものの、野党の乱立による「野党の自滅」も大きかった。結局は毎度同じく自公への「消極的支持」から何も変わらなかった。国民が消極的支持から抜け出し、自ら積極的に支持できる政党間での政権選択選挙の実現は、遠い遠い道のりだ。それを可能にする希望の党への当初の期待感があったからこそ、失望はあまりにも大きかった。


  

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