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<衆院解散>増税に伴う使途変更よりも憲法改正が焦点だ

 

28日正午、召集された臨時国会冒頭でついに衆議院が解散された。政府はその後の臨時閣議で選挙日程を「10月10日公示ー22日投開票」に正式に決定した。衆院選に向けて野党の動きも慌ただしい。小池百合子東京都知事が細野豪志、若狭勝衆両院議員らが中心になって立ち上げた新党「希望の党」の代表に就任。さらに民進党は両院議員総会を開き、次の衆院選は所属の衆院議員が離党し、希望の党の公認をもらうという前原誠司代表の提案を了承した。

 

【関連記事】民進党、希望の党と合流へ 両院議員総会で了承

 

安倍晋三首相は25日に記者会見で衆院解散を表明した際に「これまでお約束していた消費税の使い道を見直すことを決断した」として、財政再建化を事実上先送りし、「教育の無償化」などを柱とする社会保障制度を全世代型へ転換する是非を国民に問うと話した。

 

しかし、その先に見据えるものはやはり「憲法改正」だ。憲法改正に反対していた民進党が凋落し、改憲勢力になる希望の党が誕生した。自民・公明が議席数を減らしたとしても、受け皿となる希望の党が民進党の議席を奪えば、必然的に改憲勢力は維持あるいは増すことになる。かと言って希望の党が躍進し、足元をすくわれることは避けたいと考え、立党するギリギリのタイミングでの解散になったのではないか。そう邪推してしまう。

 

民進党は希望の党へ公認してもらうよう求めているが、小池氏は希望の党への入党条件として、憲法改正と安全保障政策を重視する姿勢を示している。「リアルな安全保障が必要」と話し、9条改正も視野にいれている。民進党は2016年の参院選で憲法9条の改正に反対するマニフェストを掲げていただけに、どう折り合いをつけるのか。もし、小池氏が前原氏の希望通り、民進党衆院議員全員に公認を与えれば、綱領で「寛容な改革保守政党を目指す」として示した考えは空中分解で終わる。「民進党の寄せ集め」として受け取られ、有権者からの支持も得られにくい。

 

憲法改正に反対していた民進党議員が希望の党の公認を申し入れれば、「自己保身のために解散した」という安倍政権を批判できないのではないか。一層のこと、民進党議員のなかで改憲派は希望に、改憲反対派は新たな政党を作るべきだ。共産・社民には入れたくないが、憲法改正には反対したいという層は投票してくれるだろう。時代に即した改憲は必要だが、憲法の議論を深めるためには反対派勢力の力が必要なのは間違いない。国民にとって様々な選択肢があることは良いことだ。

 

現状では反改憲派勢力がプラカードを持ったり、デモに参加したりなど、ただ「パフォーマンスばかり」しているようにしか見えない。そうなると改憲勢力ばかりが勢いを増し、議論が深まりそうにない。有権者からすると、改憲派を「確かに一理あるな」と考えさせるような鋭い論客・リーダーシップを持つ人材が不足しているように見える。

 

もし旧民進党改憲反対派が新たな政党を作るなら、そうした人材を確保することが優先事項になる。有権者から「くだらない」と言われてしまうパフォーマンスをやめ、論戦で有権者を惹きつけなければ反改憲派は凋落したままだ。今回の選挙戦で有権者が「増税の使途」や「野党の不甲斐なさ」から改憲派勢力が増すことは、民主主義社会にとって良いことではない。首相が憲法改正実現を目指す2020年まで衆院任期である4年もないのである。今回の選挙戦では憲法改正の是非について、野党はしっかりと訴えていくべきだ。


  

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