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<都議選>自民党候補・中村彩氏の「敗戦の弁」、率直な意見は貫くべきだ

先日行われた東京都議選では、小池百合子東京都知事率いる都民ファーストの会が55議席(49議席から後に6人追加公認)を獲得し、小池氏を支持する公明党などを含めると過半数(64議席)を大きく上回る79議席となり圧勝した。一方、自民党は過去最低の23議席となり、翌日のマスメディアは「歴史的惨敗」と揃って報じた。

 

そんな都議選で注目を集めたのが7つの1人区うちの一つである千代田区だ。”都議会のドン”と言われた内田茂氏のお膝元で、同氏の後継候補として立候補した自民党・中村彩氏と、都民ファーストの会の樋口高顕氏と一騎打ちとなった。国政での不祥事が相次ぎ逆風が吹き荒れる自民党は票が伸びず、結果は樋口氏が勝利。選挙中、安倍晋三首相が応援に駆けつけるなど、何かとマスメディアに取り上げられていた選挙区だったが、話題となったのは選挙結果だけでなく、選挙終了後に行われた中村氏へのインタビューだった。

 

「報道で取り上げられていたような内容を含めて、脇が皆さま甘いなと思う」ーー。彼女は臆する様子もなく、淡々と報道陣の前で答えていた。「国民の代表として出ている人たちが、普通に考えてやらないだろうということをやってしまっていることが、国民からの信頼を失うようなことをしている時点ですごく恥ずかしいし、情けない」と選挙前に不祥事を起こした議員たちを切り捨てた。27歳の新人候補がカメラの前で堂々と先輩である国政議員を批判したことに多くの人々が驚いた。当然のことながら、多くのマスメディアがこの発言を取り上げ、「ただの恨み節」「責任転嫁」などと批判も沸き起こった。

 

しかし、私はこの発言はものすごく良かったと思っている。中村氏も冒頭で「自分の力不足で」と言っていたが、これがある意味「普通の対応」だ。この普通の対応というのは、結局のところ「敗軍の将は、兵を語らず」という我々日本人の美徳に合わせた「パフォーマンス」でしかない。国民に「見せる」という意味ではもっとも定石なやり方だが、実際には自民党の国政議員の不祥事がなければ票がもっと伸びていたと考えるのは正しい現状認識だろう。

 

どうして敗れたのかと問われた際に「自分の力不足です」と言えば誰も敵を作らず、見栄えもいい。しかし、言おうと思えば誰でも言えることであり、敗因は決してそれだけではない。的確な敗因を述べるのは不正解で、とりあえず自分を責めるだけの言葉を選べば、有権者から反発を食らうことはないというのが正解なのである。恨み節と言われようと、責任転嫁と言われようと「敗因」として的確に分析したというなら、その率直な意見は貫いてほしい。

 

全員が全員、「お利口さん」である必要はない。敗因として自分の力不足の他に、「党の不祥事が大きな原因となったのは誰の目に見ても明らかです。先輩議員の皆さんしっかりしてください」というメッセージを発することができる若手候補が出てきたのは、現在の自民党にとっては寧ろよかったのではないか。こういう候補を今後も大事にしていけば、自民党としても「自浄作用」という国民への良いパフォーマンスになる。その意味で「自分の力不足です」という言葉に終始するパフォーマンスよりも、遥かに効果があるに違いない。

 


  

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