個人的新海作品のなかで「君の名は。」を凌ぐ名作、7分も満たないショートムービーを見た

こんにちは。2016年大ヒットした映画「君の名は。」は皆さんご存知の方も多いと思います。少し前にテレビ放映されてましたよね。君の名はを製作した新海誠監督の作品をこれまで私は3つみており、君の名はのほか、「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」という長編アニメを鑑賞しています。

 

普段から公言しているように「飽きない性格」もあってしつこく、ねちっこく同じ作品を何回も何十回も見るため、君の名はも軽く20回以上は見ているはずです。しかし、先日そのいずれの映画をも超える映像作品を見てしまったのです…。

 

それはわずか7分にも満たないショートフィルム「だれかのまなざし」。ユーチューブで新海誠CM集みたいなタイトル動画が目にうつり、チラッとみてしまったんです。その中にこの作品が含まれていました。海賊版サイトがブロッキングされるという社会問題があるなかで、あまり触れるべきではないとは思いましたがネットをよく利用していらっしゃる皆さんもこういうご経験あると思いますし、今回だけはご容赦くださいませ…。

 

SHIGEFIKAの映画感想のカテゴリーで書いてもよかったのですが、短編映像作品なので気軽に見ることができますので、ご紹介も気軽に個人ブログのほうで書かせていただきます。

 

ショートムービーだからこそ伝えたいことがわかりやすかった

 

(※以下ネタバレを含む可能性があります。ご覧になっていない方はご注意ください)

 

一人の女性の成長と家族を描いた作品なんですが、何気ない作品にホロっとさせられました。

 

相変わらずの美しい映像で、もはや映像を見るだけで「あー新海作品だ」と分かります。もう一つの特徴として情景描写するのではなく、モノローグをよく使っていらっしゃることです。この作品もショートムービーということもあってか、背景描写などはほとんどにモノローグです。小説家の川上未映子さんとテレビ番組で対談されたときに、モノローグで説明することに多くの批判があると明かしていらっしゃいましたが、個人的には分かりやすさという点でも、映像で説明する限界もありますし、モノローグに関してそこまで不自然には思いませんでした。

 

特に冒頭の主人公の女性が会社からの帰り道、電車の中でつり革を持つ手の入れ替え方や、誰かの自慢めいたSNS投稿や窓にうつる自分をみたくないので、ただ目を瞑るという場面も、モノローグだからこそわかりやすく、共感できる部分だったと思います。映像だと無駄にカットを割かなければならなくなるので、ちゃちゃっと言葉で説明してくれたほうが次の場面にいきやすい。言葉選びも秀逸でした。

 

そして何よりも「人間の気持ちの変化って残酷だな」って思わされることです。この作品を見ていろいろな感想があるでしょうが、私はいちばんにそう感じました。主人公の女性が成長するにつれ、父親や飼い猫に対する気持ちが大きく変化していきます。誰もが経験することで、このお父さんも成長しているんだと一方で喜び、一方で悲しみを抱いていました。もちろんそれは悪いことではなく自然なものなのですが、同時にその変化を我慢して見守るしかないお父さんの気持ちが切なすぎる。それが親というものなんでしょうが。

 

ただ、生きていれば別に子供の成長に限ったことではなく、ずっと仲良くしていた友人が自分に対して興味を抱かなくなったとき、恋人が自分に飽きているとわかるような態度をとったとき、人から完全に見放されたときなど、人間の気持ちの変化は時にここまで残酷かと思わせられることがたくさんあるはずです。そしてその気持ちの変化で誰かを傷つけ、誰かに傷つけられるの連続。その人間の残酷性を見せつけられた気がしました。しかも、それは「どうしようもない」解決策のないものだからこそ、感じるものがあるのだと思います。

 

ショートムービーだからこそ、変に複雑さがなく、ストレートにそこが伝わってきました。複雑で見るたびに発見がある作品も良いですが、シンプルにこれだって伝わってくる作品も良いですね。ショートムービーの良さを感じることができた作品だとおもいます。

 

つい重たく書いてしまいましたが、それでもこの作品は幸せはしっかり続いていきます。新しい幸せをそれぞれ見つけられているからでしょうか。みんながそうありたいものですが、なかなか難しいものですね。

 

それにしてもこういう作品でほろっとくるなんて、本当歳をとったものです。若い頃なら感じることもなかったのかもしれません。


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衣田 史景

元ローカル新聞社報道部記者見習い。街のイベント、お店などを中心に取材をし、時には市役所、警察など遊軍も経験。学生時代に写真部だった経験を買われ、カメラマンとして先輩記者の取材に同伴することも。現在は引きこもりで、記者を目指しながら、オピニオンサイト「SHIGEFIKA」などを運営。

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